ロングエンゲージメントを見てきた。

映画

 見に行こうと思っていた『ロング・エンゲージメント』を鑑賞してきた。
 原作は『シンデレラの罠』でおなじみ……かどうかは知らないが、セバスチアン・ジャプリゾの『長い日曜日』(創元推理文庫)。
 監督はジャン=ピエール・ジュネ、主役のマチルドは可愛いオドレイ・トトゥ。

 戦争での婚約者の死が信じられず、そこで何があったのか、恋人を知る人をさがし求めていくお話。
 ひとりひとり、戦場を知る人や、その関係者に会うたびに少しずつ明らかになっていく真実。
 さりげないいくつものシーンが後に意味をもってくるので、見直したくなる。
 時系列の並べ方によってはもっとサスペンスフルで、ミステリ読みがヨロコブ展開にもできたんだろうな、と思わないこともないけれど、元々これ、フランスミステリだしなあ。

 マチルドが恋人をさがすのはロマンティシズムだけど、対比するようにこの映画では生々しい部分が描かれていて、セックスの場面もそうだけど、とにかく人が本当に簡単に死ぬ。戦場で、そして誰かの手にかかって。それはもう、拍子抜けするくらいに。

 このバランスは確かに監督の美意識で、戦争、マチルド、ティナ、少しでもどこかに比重が偏ったら、くずれてしまうんだろう。

 20世紀初頭を再現したパリをはじめとした美しい映像と共に、マチルドの光り輝くような誇り高い表情に気圧される。こんな子なら我儘も許すね、まじで。
 いい映画でした。