初めて読んだ柴田元幸訳は、バリー・ユアグローだったと思う。
その次に、図書館で見かけたエッセイを読んで、なんか気になる……と思ってた時に、柴田元幸責任編集の雑誌が創刊したんだった。
文芸誌を読む習慣はなかったけど、なんでかこの雑誌だけは購読しようと決めて、2008年から2011年まで読んでいました、『モンキービジネス』。
記念すべき1号はテーマが野球で、文芸誌がいきなり野球特集?って思いましたが、中でも小川洋子と柴田元幸の対談には、こんなレベルの高い知的な会話って、しかも阿呆にもよく分かる平易な言葉遣いでですよ、あり得るんだ、と打ちのめされる勢いでした。
この雑誌で初めて知った、ここから興味を持って読んだ本がけっこうあって、中にはかなり影響受けたような本もあって、この雑誌のおかげでたくさんの出会いがありました。
そして、休刊から2年。
『MONKEY』新装刊ですよ!
特集は「青春のポール・オースター」、それにモンキービジネスでも楽しみにしていた古川日出男や川上弘美、岸本佐知子の連載も。
ポール・オースターは20代の頃の断片。それぞれ完成されたものじゃないんですが、ひとつひとつ読んでいくと共通点が、同じ素材が料理されていることが分かってきて、長編を読むのとも短編を読むのとも違う、まるで音楽で1つの曲のリミックスを聞くのに似たような、他にあまりない読書体験でした。
対談も読み応えがあるし、企画のオースター少辞典とかも手間と愛情がかけられてることが分かります。
川上弘美の連載はモンキービジネスから続いている変なご近所の人の話で、相変わらずで嬉しくなる。
古川日出男は宮澤賢治リミックス「なめとこ山の熊」。最後にこのテンションの高まりを持ってくるのがすごい。
これからまたこの雑誌が読めることを心から嬉しく思います。

