「ボルヘスは旅に値する」
という言葉が解説で引用されていますが、まさしく広く深い迷路に似た異国の街並みを旅してきたような気分です。
この『伝奇集』は外に出て、大阪の繁華街の騒がしいお店の片隅で読みました。
そういうエスニックさがよくはまるような気がして。
しかし読むのに一定の集中力を要するという点では成功だったか失敗だったかよく分からない。
ていうか、世の本読みはみんなもーさっくりこれを読んでそれ前提で会話してたかと思うと憎い。
今まで放置して読んでなかった自分が憎い。
存在しない書物、時間の流れ方、夢、迷路……。
ツボにはまったところがいくつもあるんですが、それを言葉にするのがすごく難しい……。
「円環の廃墟」、「バビロニアのくじ」、「八岐の園」、「記憶の人、フネス」、「死とコンパス」、「ユダについての三つの解釈」、「結末」、「南部」が好きです。いや、ほとんど全部好き。

