今年の花見

お出かけ

引っ越しが決まる前、不動産屋のお姉さんに何度か車を出してもらってお世話になっているうちに、すっかり慣れてくだけた話もするようになった頃、彼女はこれから引っ越すその町のことを、ふと
「死んだ町みたい」
とつぶやいて、それから慌てて、よくお客さんを案内するけどあまり人に会わないんですよねー、なんてとりなしたことがあった。

そこは古いひっそりとした町で、けれど実際に引っ越してみたら外に出て人がいないなんてことはなくて、むしろ通行人は引っ越し前に住んでたがやがやした町よりも多いくらいだったから、なんであの人はあんなこと言ったんだろうと面白く思っていた。

半年前の彼女のその言葉をふと思い出したのは…桜の咲いた夜の公園で。
満開の桜が連なる提灯で照らされているのに、その景色に当然いるはずのものがいなかった時。
咲き狂っている桜の下に、誰もいない。誰一人。
そのとき、この町にはもう誰もいないのか、それともこの目にはもう誰も映らないのかなんてことを考えて目が回りそうになった。

引っ越して初めての春。咲かなきゃ桜と認識できない程度の観察力しかないので、あの木もあの木も桜だったのかと歩きまわるのも楽しいけれど、もっと楽しかったのは、夜遊びが嫌いな相方が初めて夜桜に付き合ってくれたことでした。

慢心して外ビール。

桜といえばだいたい毎年京都のどっかしらに染井吉野を見に行くんですが、今年は休みがちょうど雨で行けず。
よく京都に出かける人は、どこ行っても人が多くてーとか言いながら、たぶんみんな自分だけの桜の穴場を大切にしてるんじゃないかとか、そんなことをふと考えていた。
奈良に行ったときはまだ咲いていたので少し見られました。

お寺の山門から中を覗き込んだ風景は額縁みたいでした。

毎年恒例といえば造幣局桜の通り抜けもなんだかんだで行くんですが、今年は雨の合間の唯一晴れた日曜日で、例年よりもすごい人でした。
天満橋で地上に出たら、京阪の駅の外くらいからもう並んでる感じ。

毎年それなりに人込みに揉まれつつなんですが、今年はへたれるくらい多かった…。

今年の花は例年に比べるとちょっと早いくらいだったかな? 

川べりに桜並木が続き、足元には菜の花が咲いてて…みたいな春の風景はすごく好きですが、京都とか大阪に来て見る桜って、そんなぼやぼやしたものじゃなくなんかもっと過剰な何かだなーと通り抜けにくるたびに思います。
そんなこんなで堪能して帰りました。