円空展@あべのハルカス美術館

美術館・博物館

あべのハルカス美術館10周年記念、円空展に行ってきました。
10周年記念と銘打つにふさわしい展覧会でした。

円空ってちょくちょく見ている気がするけれど、円空展って久しぶりかもしれない。
私が円空展として見たのはトーハク以来……あれって2013年か、11年前とかだ。

これだけまとまった数の円空を見るのは久しぶりだったんですが、今回は活動初期と思われるものから晩年まで順を追うかたちで展示され、彫り方の変化もよくわかりました。
いやー改めて見るとかっこいいわ。
初期の自己流で2m近い立像をとにかく彫り成立させる、ごんぶとの天衣が身を支えているストロングスタイルに感動すら覚える。
あと台座、初期の台座とてもよい。かっこいい。
鑿の痕ひとつひとつが鑑賞に足る。
手を入れずに自然のままに残された部分。木目のゆらぎを活かしている。

「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年もついでに(?)しとこうかということで、円空の山岳修行者としての面が紹介されていたし、各所に山の写真、円空が詠んだ歌が展示されているのがよかったです。
法隆寺で法相宗の血脈を受けていたの知らなかった。自己流ながらも仏像の基本はおさえる機会があったのかな。
ロングロング倚坐。
それから旅をしてまわった先で、古びてしまった経典や仏像の修復も手掛けていたこと。
絵もけっこう描けるよう。
平安時代の仏像のお顔と右手を修復していたの、ちょっとびっくりしたなあ。面白い事例と思います。

なんとなく円空展を見るときって岐阜と愛知のお像が中心なことが多かったので、大峰で修行して天川村にも円空仏をお守りするお堂があるとか、あと埼玉! 埼玉からお出ましの像がほんと見られて嬉しかったです。
埼玉の円空のことを後で検索していたら、埼玉県立熊谷図書館の資料がとてもよかったので、自分用にメモ

円空を訪ねて─人と信仰─(pdf) 埼玉県立熊谷図書館
https://www.lib.pref.saitama.jp/reference/docs/libletter29.pdf

蔵王権現像があり、円空の蔵王権現像はレアらしいけれど、あの片足立ちポーズがけっこうこなれていたのでそれなりに作った経験がありそうに見えた。

千光寺からお出ましの像は今回撮影可能(秘仏歓喜天以外)だったのでちょっと撮らせてもらいました。
両面宿儺。

狛犬。胴体のぐるぐるは毛の表現ですかね……。

けっこうある烏天狗。

いろんな時期の作を見ることで、化仏の表現が違うのも見ることができました。

なんか仏龕みたいになったのもあったし。

木端仏も、10万の仏像を彫ることを発願し、ほんとうに数をこなしたからこそできる簡略化ですよね。

そして最後のお部屋へ。
旅を続けた円空は晩年に岐阜県関市で廃寺になっていた弥勒寺を中興し、そこを最後の場所に選びました(大正9年に焼失)
園城寺から血脈を受けて末寺になった。
ってことは……本山派だったってコト!?
園城寺さん関連なら、そっちになんかしら記録残ってそうな気はするけれどどうかな。

最後の造像と考えられる3体は、なんというかトーテムポールのような、木を割ってそのままそこに彫りつけたのがよくわかる感じで、力のある時期はあんなに力強く引けていた線がもうがたがたになっていて、それでも円空だなあ、という個性は残っているの。
ほんとうに最後の力を振り絞ったような。

見ごたえのある展示でした。
あとは気になるのは謎の北海道時代だよなー。
今回は蝦夷地調査中に円空仏を見たという松浦武四郎の東蝦夷日誌がちょっと展示されていたけど。

おなかがすいたので、近鉄へ。

かきフライ定食を食べて帰宅。