播磨のお寺めぐり

鶴林寺 お出かけ

春に快慶展を見てから、播磨別所の浄土寺で快慶の阿弥陀三尊に会いたい気持ちが高まっていたので、夏休みに関西に来られた白梅軒の川口さんを誘ってレンタカーを借りて兵庫県のお寺巡りをしてきました。

兵庫県には国宝のあるお寺がいくつかあって、加古川から加西、小野、加東と周る計画を立てました。
9時に加古川駅をスタートして、まずは鶴林寺。
仁王門から中に入るとまず三重塔に目が惹かれます。

鶴林寺三重塔

正面には国宝の本堂。

鶴林寺本堂

入母屋造りで和様と大仏様、禅宗様の折衷様式なんだそうです。

鶴林寺本堂

これは本堂を横から見たとこ。桟唐戸が横に並んだ感じが特徴的。
あと戸の上の組物(なんていうんだろ?)が規則正しく並んでる感じ。
手元の建築の教科書に、「大仏様・禅宗様の特徴のひとつは、構造部材を意匠として積極的に見せることにあった」と書かれていたけど、今回のお寺巡りでそれを再確認できました。

鶴林寺太子堂

太子堂の方から見た本堂。この屋根のカーブうつくしい…。

宝物館では太子堂の壁画復元や、仏像や仏画などが展示されていました。
重文の白鳳の銅造聖観音は、お顔はふっくら大きめで腰のとこをちょっとひねったポーズと個性があっていいお像でした。

次に向かったのは加西市の一乗寺。西国三十三所の26番。
香炉と笠塔婆の先に続く参道から階段を上がっていくと、国宝の三重塔と懸造の金堂、大悲閣が見えます。

一乗寺

この景色がぱっと見えてくるのがすごい劇的に感じました。

一乗寺三重塔

階段を上がっていくことで、三重塔が横から、上からと様々な角度から見えます。

一乗寺

金堂に上がってお参りし、地味に三十三所巡りしてるので納経印をいただきました。
内陣と外陣を隔てる格子の上の方に口を大きく開けた何か動物?の顔の額がかかっていて川口さんが食いついていた。
体力がなかったので開山堂は下の方から拝んだ。石造の五輪塔はしっかり見つけた。

ちょっと失敗したなーと思ったのは、一乗寺の宝物館は事前予約が必要だったこと。札所だし、夏休みだし開いてるだろうと勝手に思い込んでいた。

一乗寺三重塔

またの機会に……

次に向かったのは加西市の酒見寺。

酒見寺楼門

立派な楼門をくぐると、

酒見寺境内

整然と並んだ灯籠の向こうに金堂が見えます。

酒見寺多宝塔

右手に重文の多宝塔。写真だとわかりにくいけど彩色も程よい風合いで美しい。

酒見寺鐘楼

本堂隣りの鐘楼は彩色がより新しくて、多宝塔の彩色もこんなふうだったんだろうな~という感じがよくわかった。

お寺の隣の住吉神社にもお参り。

酒見寺の隣の住吉神社

こんもりとした緑の勅使塚が珍しい。
どちらもなんか整然としていて、この日まわった他のお寺とはだいぶ感じが違うけど、池田輝政によって復興されたそうなので江戸時代の感じが強いのかなあ。
落ち着いた雰囲気がとても良かったので、この北条町のへんはまた改めてじっくり周りたいです。

午前の予定を順調に消化して、通りすがりのお店で昼食をとり、次はとうとう小野市の浄土寺へ。
以前岡山旅行のついでに来たことがあって、その時にお昼は休憩時間で拝観できないのが分かっていたので、13時を過ぎてから行きました。

浄土寺

鎌倉時代に東大寺を再興した大勧進重源。
重源が各地に立てた別所のひとつで、重源の建築様式、大仏様そのものが現存するのは東大寺南大門とこの浄土寺浄土堂だけなんだそうです。

浄土寺

宝形造りで屋根には反りがない。
御本尊は快慶の阿弥陀三尊。中に入ると、参拝客がみんなぺたんと座り込んでじっくり対面していました。

浄土寺の練供養に使われた方の快慶の阿弥陀立像は、奈良国立博物館にあるので何度かお目にかかっているんですが、こちらの御本尊はなんというか重量感がまず違う。当たり前ですけど。
頂点に向かっていく朱色の肘木と金色の仏身を見上げて、重源と快慶がつくりあげたこの特別な空間を堪能しました。

浄土寺

この細かい格子から西方からの日光が差し込むのです。
今回は真夏なので、何時に行ってもそう変わらないかなと昼間に訪れましたが、いつか晴れた秋か冬の日暮れ時に訪れてみたいです。

次に向かったのは加東市の朝光寺。

朝光寺仁王門

仁王門はこの日見た他のお寺さんに比べるとちょっと簡素にも見えますが、軒下の組物の感じと縁の下?の柱が見えてるところが本堂とよく合っているように思います。

朝光寺

本堂は寄棟造り。

朝光寺

向拝は後付らしい。縁の下というか、この建物下部の柱が微妙に高さがあるのが独特に感じた。

朝光寺

建物の側面から見てやっと、あっ入母屋造りじゃないなと気がつく…。

朝光寺

この非常に細かい格子と虹梁が並んだ感じが、播磨で見たお寺で特徴的だな~と印象に残った部分でした。

予定したお寺巡りの最後は西国三十三所の25番播州清水寺。
こちらは大正2年の大火事で焼失して、再建された根本中堂、大講堂、本坊、客殿は武田五一設計だそう。

播州清水寺

講堂でお参りして納経印を頂く。なんかスイーツ巡礼いうのもやってるらしい西国。

播州清水寺講堂

根本中堂まで階段を上がってお参りして、下で待ってた家族と合流して、さて帰ろう~っとしたら、持ってたはずの日傘がない。
お堂に上がる際、外に置いたのを忘れてきてしまった。
体力が限界に近かったので、また階段を上がって取りに行くか、このまま置いて帰るかちょっと悩みましたが、結局また階段上って取ってきました。
かなり消耗した。
参道にあった茶屋で冷やし甘酒を飲んでお寺巡りは終了。

終了……と言いつつ、加古川駅に帰る途中にあった上鴨川住吉神社に寄りました。
鳥居が見当たらなかったので最初見逃してしまった。

上鴨川住吉神社

境内に入っていくと茅葺きの建物があって、なんだろこれ?

上鴨川住吉神社

鳥居、割拝殿、本殿がぎゅっと並んでました。
この木の枝はなんだろう? お祭りで使われるのかな。

17時頃に加古川駅に着いて名古屋に向かう川口さんとお別れして、まだ明るかったので、多木浜洋館の外観だけ見に港の方に行きました。

多木浜洋館
多木浜洋館

中が凄いらしいので、いつか見学会の機会に行きたい。

駅に戻りレンタカーを返却。走行距離は148km。
車に乗っていたのであまり歩いた気はしてなかったんですが、スマホの歩数計を見たら11km歩いていました。

この日の行程は結局、加古川市鶴林寺→加西市一乗寺→酒見寺、住吉神社→小野市浄土寺→加東市朝光寺→播州清水寺→上鴨川住吉神社→多木浜洋館(外観)
となりました。

ミドコロが多くて充実した1日になりました。いいお寺が多かったので、またエリアをわけてじっくり見に行きたいです。