東京で泡坂妻夫展をやっているらしい。
手元には使い道の決まってない18切符1回分。
ちょうど夏休みで帰省していて、静岡県内の実家からなら東京は日帰りで行けないこともない。
色々条件が重なって、行くことにしました日帰り東京。
台風5号が気になりつつも浜松駅6時47分発の熱海行きに乗車。乗った電車はそれほど混んでなく、座って行けたので楽でした。
11時半頃に予定通り東京駅着。山手線で日暮里へ。
まずは一度行ってみたいと思っていた、谷中の全生庵の幽霊画公開に行きました。
幽霊画っていってもいろんな画題があるなー。
暁斎はちょうどゴールドマンコレクションの幽霊画を見たばっかりで、あのばーん!!って感じの幽霊画に比べるとずいぶんおとなしい。
先に幽霊画があって円朝がそれを収集したっていうよりは、円朝という類稀な人がいて、その怪談噺に惹かれて集まってきた絵なんだなあとかそんなことを考えて見てました。文化的な交流の残滓。
鰭崎英朋があって、さすがの美人。
この名前を見かけると、4年前に金沢の泉鏡花記念館で見た「えいさん こはいものご覧に入れます」とだけ書かれたハガキを思い出す。泉鏡花は鰭崎英朋にいったい何を見せたのか?
外に出て、せっかくなので円朝のお墓に行って手を合わせました。
千駄木駅のところで見つけて写真を撮る。

ここがD坂かー。
新御茶ノ水駅に移動してお昼を食べ、先に古書店で図録を買って、東京古書会館の2階でやっていた泡坂妻夫展へ。
小学生時代の日記とかあって、この頃から文章も字もしっかりしてるな~とか、自筆原稿やノートや写真がたくさんあってもう垂涎とか。
あと紋章上絵師や手品の資料も。
『しあわせの書』の自筆原稿も、絶筆もあった。
「椛山訪雪図」と「ホロボの神」と創作ノートの表紙に書かれたタイトルに、次々にそれを読んだ時の記憶が蘇ってきて、素晴らしい時間でした。
無料の展示に注文つけるのもなんだけど、展示品の一覧が欲しかったなあ。
それから近くにある明治大学博物館の「進化する不可能立体錯視」展へ。
近いというのもあったけど、泡坂展のついでに見るのに相応しいと思ったので行ってみました。
これは一体どうなってこうなるのか。

映像で見るコーナーが不思議でなおかつ分かりやすくて良かったです。
喫茶店で休憩してから帰途に着きました。
熱海で途中下車して夕食を取ったら遅い時間になり、東海道線の車内は人も少なく静かで、接近しているはずの台風はどこにいるのか雨も降らず、そうしていると行き先の知れない電車に乗ってしまったような奇妙な感じがしてくる。
持っていたアンソロジーにたまたま泉鏡花の「外科室」が載っていて、読みながらそういえば今日って鏡花繋がりだったなーと思い返した。
泡坂妻夫は泉鏡花賞を受賞していて、展示品の中に八稜鏡があったことや、昔金沢の近代文学館に行った時にその縁でか泡坂妻夫のトランプが展示されていたことを思い出したり。
そうして「外科室」を読み終える間際。
文中に谷中の墓地が出てきて、昼間幽霊画を見た後の、卒塔婆がたくさん立った墓場の光景に戻り、1日が終わる。

