森見登美彦の『夜行』を読んだ。
鞍馬の火祭りの夜、宿に集まった仲間がそれぞれ語る、列車と奇妙な銅版画にまつわる話。
10年前に消えた女の子の、消失の謎にだんだんアプローチしていく話なのかな~と思いつつ読み始めたけど、語られていくのは語り手個人の身に起きた奇妙な出来事で、すっきりするというよりは次第にもやもやが積み重なっていく。
茫漠とした列車の旅の行き着く先は奇妙な絵画の中の閉じた世界だったような、閉じ込められたと思ったらその闇はもっと広い場所に繋がっていたような、時間も空間も此方と彼方もくるくるひっくり返るような。
いい怖い話でした。津軽と天竜峡が特に好き。
久しぶりに肌が粟立つ感じを味わった。
