久世光彦の乱歩

読書

好きな作家って言われてすぐに名前を上げる作家さんじゃないんですけど、なにか特別な時に読みたくなる作家さんの一人に久世光彦がありまして、『一九三四年ー乱歩』を再読してました。3回めか4回めの再読。
改めて、これを書くのはすごい野心ですよなあ。

満都の読者よ、冬の一夜、大乱歩の『梔子姫』に酔え!

ですよ。
最初に読んだ時は大学生で、その時と大きく違うのは、探偵小説作家を少しは読んで知って、だいぶ名前に意味が出てきたことだなー。
最初読んだ時は横溝とか小栗虫太郎くらいしか読んでなかったし。
浜尾四郎がどんどんいいやつに見えてくる。

それで、ここ数年もしかして、と思ってることがあるんですけど、私、乱歩はわりと読んだつもりでいたんですが、実は有名な長編読んだことない?
ポプラ社のは小学生の時にあらかた読んでいて、あと1冊だけ小学校の図書室に文庫が置いてあったんですよね。多分、新潮文庫の短編集。
それで、初めて「押絵と旅する男」とか「芋虫」とか読んだのは強く覚えてるんですけど、パノラマ島とか孤島の鬼とか陰獣とか読んだ記憶があるようでないよ?
読んですっかり忘れてしまっている可能性もあるんですが。あんなに夢中で読んだ少年探偵団だって、なんも思い出せないし。

とりあえず、これをタイトルで買って読んだり、乏しいコヅカイをやりくりして「RAMPO」を映画館に見に行ったりしたくらいには好きだったと思うのに。
まあ映画も、竹中直人がナントカだよ、横溝くんって言った声しか覚えてない。

しかも家にもあまり文庫ないしな。高橋葉介が表紙の文庫は集めてたからちょっとあると思うけど。
というわけで、近々長編読んでみようかと思います。

今回読んでいて思い出したのは、小春日和のぽかぽかした図書室で「芋虫」を読んで、これを読んだことは誰にも言えないという気持ち。
今じゃ読んだもの片っ端からネットに垂れ流して平気な体ですが、このお話は私と作者と登場人物だけの秘密、っていうよろこび。これもまた読書の楽しみと思いました。