ロコス亭

読書

フェリペ・アルファウの『ロコス亭』読んだ。

どこか陰鬱で、奇人達は躁鬱的で、運命の恋人とは殺すか殺されるかの愛を交わして、スイッチが入ると皆仮面を被って個を消して狂乱の祝祭が始まっちゃう。
悪いヤツらがなんとも生き生きとしている。
ルナリートに恋したい! ガストンみたいな兄さん欲しい!

そういうスペインっぽさを描きつつも、コテコテな感じがなく風刺も描写もスマート。
それになんといっても街の描写が悪魔的な魅力。

喜劇を深読みすると悲劇になっちゃうよ、って作者の視点も粋。

スペインの死生観ってちょっと不思議だなーと思っていて、それは以前にピカソの闘牛のデッサンを見たときに、だらりと静止したマタドールと躍動感に溢れた牛の絵があって、静と動の見事な対比でありながら、次の瞬間にマタドールが動き牛が死ぬであろうという予感にも満ちていて、そういう生と死が瞬間で反転する感じ……なんと言ったらいいのかな、それが今のところ私の思うスペインっぽさ。

そういう記憶があったので、死を愛する女を描いた「ネクロフィル」は特に面白かった。