文芸誌を購入するのは実は初めてだったりします。基本的に好きな作家以外読まない&本にまとまってから読みたいタチなので。
けれど、柴田元幸責任編集で、柴田さんが毎号新しいのと古いの1編ずつ訳します、とか言われると……ねえ、そんなのはここでしか読めないよね、と。
とりあえず、小川洋子と柴田元幸の野球対談だけでモトがとれた気分です。
スポーツとしての野球はそれほど興味がないんですが、野球の持つ物語性は好きなんですよねー。
野球観戦って、ごくごく幼い頃から現在まで、容易に継続できる趣味なんですよね。
だから物語も積み重なる。
熱心な野球ファンであるお2人が、どれだけの物語を蓄えているのか、その片鱗に触れるだけで……なんというか嫉妬です。これだけの物語が、選びぬかれた言葉で語られる、これは最高の読物です。
柴田さんの今回の翻訳の仕事は、シェリー・ジャクソンの「血」とハーマン・メルヴィルの「書写人バートルビー」。
期待通りの変な話です。
「血」は、ロンドンの地中から月に1度血が噴出してくるのですが、それを掃除していた人の語り(現在は機械を使ってなんとかしているらしい)。
地中から噴出する血は女性の月のものを思わせて、泥臭い仕事の描写もどこか内臓を思わせる、生々しい触感。女性のデリケートな話でありながら、労働者である女性のライフヒストリーにはユーモアがあり、からっとしてて良いですね。
お祭り騒ぎでテンションがあがる。おもしろーい。
全体的には、翻訳されたものや古いものと比べると、国内作家の書下ろしはちょっと面白みに欠けた気がします。残念。
まあでもこれからも購読していきます。

