7日の話。
今秋は高槻市立しろあと歴史館で「大阪の修験と西方浄土 神峯・葛城山と日想観の山寺」展、茨城市立文化財史料館で「竜王山をめぐる信仰と人々」展という、市域の山岳寺院の企画展がありました。
北摂という地域に引っ越してもう10年になるんですが、奈良や京都はそこそこ行くくせにわりと足元のこの地域の歴史のことは普段使う電車の路線が違うこともあって全然知らないなーといまさらながら思って行ってきました。
平安時代に山林修行の霊山で、七高山と言われた山があって、比叡、比良、伊吹、神峯、愛宕、金峯、葛木のうち神峯山がだいたい茨木か高槻のへんだそうで、他の山は知ってたけど、神峯山ていうのも実は今回初めて知った。
高槻では展示は山のお寺を大きく修験と浄土信仰の日想観に分けて府内の寺院と高槻市の寺院が並べて紹介されていました。
修験っていったら役行者像とか、不動明王像の絵で、七宝瀧寺の本尊、倶利伽羅大龍不動明王が背後に描かれているというのがあったり。
神峯山寺の重文聖観音立像は上半身のボリュームからすると下半身が短くてずんぐりしとした感じ。参考に滋賀県栗東市の大野神社の十一面観音菩薩立像の写真がありましたが、ほんと双子だった。
葛城修験の二十八宿は友ヶ島から和泉と紀伊の境を通って奈良の二上山らへんまでだけど、北峯の宿っていう柏原市から生駒山地を通って八幡市まで続く行場があったらしい。髪切山慈光寺や私市の獅子窟寺の紹介があった。
日想観の展示の方は四天王寺や往生院六萬寺と、高槻では千観が開いた金龍寺の展示。
日想観っていうから浄土信仰っぽい展示があるのかなーと思ってたら、どっちかというと金龍寺の旧境内の発掘調査から、古代の寺院と地域の関わりが示される展示だった。雨乞いとか、神社の神事で使われた祭具の龍神や蛇があって面白かった。
ロビーでBSフジのこころ寺巡りの神峯山寺の回が流れていて少し見てたんですけど、神峯山寺の御本尊は役行者が安置したとされる毘沙門天なんだけど、御前立の毘沙門天と、真ん中の双身毘沙門天と、奥の兜跋毘沙門天と3体が縦に並んでるそうで、双身毘沙門天ていうのも初めて聞いたなあ。前後の毘沙門天は御開帳があるそうだけど、そちらは僧侶しか見ることができないんだそうです。気になる。
あと、霊山寺の御本尊は不動明王に見立てた自然石で、光背と二童子像を脇につけてて、こちらも機会があったら行ってみたい。
茨木の資料室の方は別の日に行ったんですが、ここでついでに書いておく。2年くらいこのへんに仕事で通ってたけど初めて入りました。
七高山であげられた神峯山はいくつか説があるそうだけど、ここでは竜王山がそうではないかと比定して、竜王山の周辺の山岳寺院、主に三澄開基の賀峰山忍頂寺、大門寺の展示でした。
展示はそれほどなかったけど図録を買ったらこの二寺の仏像が紹介されてて、大門寺の如意輪観音はぜひ拝んでみたいなー。
それから宝池寺には竜の骨が伝わっているらしい。
ここの図録の文章は初心者向けにすごくわかりやすいのと、各ページに参考文献が提示されてるのが嬉しいです。
講演会がこれからまたあるらしいから、行けたら行きたい。
今回知った、北摂の山岳寺院には開成皇子の伝承が多いそうだけど、開成皇子は病気で京を離れて、磐田市の白山神社に祀られているらしい。思いがけず地元が出てきた。
高槻に行った後は、阪急電車で京都に移動して、秋の京都市内のバスは混んでて好きじゃないので、地下鉄で移動して平安神宮の東側を通って歩いていったんですが、途中にいい感じの建物があるなーと思ってよく見たら植治でした。おおー、と思わず写真撮ってしまった。

そして特別公開中の黒谷さん、金戒光明寺へ。

山門は外から眺めて、御影堂へ。
昭和に再建された大方丈は武田五一の設計ってなってた。近代建築って印象が強かったけど、ぐぐったら古建築の修復にも関係が深いんだそうだ。
獅子に乗った文殊菩薩像とか。若冲の群鶏図屏風とか。剽げた顔した鶏で、他の部分は写実っぽいのに尾っぽがいきなり勢いのいい線なんだよなー。それで全体としては構図が面白いっていう。かわいいかわいい。
重文の山越阿弥陀もしれっと見られないかなーとか思ってたけど、そんなに都合良くはなかった…けど絵葉書購入。

五劫思惟阿弥陀様にも挨拶してきた。
京都非公開文化財特別公開の最後の目的地は下鴨神社の夜間拝観で、夕食を取ってから出町柳へ。

夜の下鴨神社は初めて。静かで昼以上にご神域の雰囲気がびりびりとくる。
舞殿で京都造形芸術大学の学生?の石見神楽奉納があったので見た。
おめでたい恵比寿大黒と、ヤマタノオロチ退治。
4体のつくりものの蛇の頭が出てきて、舞殿の上をお囃子に合わせてうねったりまわったりけっこう激しい。

お神楽を堪能してから本殿を拝観。
というか幣殿の向こう側自体見るの初めてなんですけど、式年遷宮があったばかりでぴかぴかの朱色でした。
同じ大きさの流造が2つ横に並んで、屋根には千木とかはなく、回廊には獅子と狛犬。回廊に獅子と狛犬がいるのは日吉大社と一緒だなーと思いつつ、下鴨では獅子が金身緑髪、狛犬が銀身青髪だったのが違ってました。
御本宮の西側に小さなお社があったのでなんだろうと思ってたら、リーフレットに書いてあった。霊璽社という印鑑、契約守護の神様のお社と、神宝を収納している叉倉だそう。
下鴨神社には何度も来ているけど、夜の参拝すごく良かったです。

