大津市歴史博物館の比叡山展に行ってきました。
今回はこちらの博物館の25周年記念の企画展ってことで、これまでの調査の集大成という感じで何と言っても初出陳の資料が多かったです。悉皆調査って文字を見るだけで燃える。
手が逆さになった阿弥陀像とかビックリマンみたいな大黒天とかいろいろあったけど、不動明王がほんと多様で、不動十九観に則ったよく見かける感じのものから、こんな顔見たことないって表情のものや、弁髪もないとかいろいろあって、こんな仏像があるんだなーという驚きがけっこうありました。
展示のキャプションにキャッチコピーみたいなのが付いてて、例えば恵心僧都像に「このブロマイドが宋で爆売れ!」(うろ覚え)ってなってたら思わず「へー!」ってなってキャプションを読みふけってしまいます。あと図録の写真と解説が同じページなのがすごく読みやすいです。
各地から見た比叡山写真のパネルがあったのが良かったです。
京都市内、都からはいかにも鬼門を守る山って感じで四明岳がランドマークに見えるけど、その姿だけが比叡山じゃなくて、東から都入りしようとする旅人が琵琶湖の対面に見た姿、近江国分寺で修行していた最澄が見ていた姿、大津京から北に見える姿……見る場所によって違う比叡山の姿が、山上だけでなく別所や里坊にも広がりがある、この展覧会で見られる文化財の多様性を表しているように思いました。
それから天台の祖師像が少ないっていうのが、弘法大師信仰が凄いことと比較すると、確かに伝教大師像ってあんまり見たことないかなあと思いました。天台ではあんまり祖師信仰ってないんだろうか、三井寺では智証大師像があったし、良源の元三大師信仰はあるって聞いたことあるけど。
頭巾をかぶった天台大師像はこう言っちゃなんだけどすごくキュートなので、比叡山のゆるキャラに推したい。
今回は建立大師相応和尚という名前を覚えました。円仁の弟子で、北嶺回峰行の開祖とされているそうで、じゃあ天台の山岳修行についてはこの名前を追っていったらいいのかなー。近江八幡の伊崎寺はいつか行ってみたい。
あとで図録を見て気がついたけど、大津に行ったこの日11/3がちょうど御忌日だったらしい。御縁ですね。
堪能して京都駅へ移動し、期間中だった非公開文化財特別公開を見に泉涌寺へ。
即成院拝観。
那須与一のお墓がある関係か、本堂の前にある石の手水鉢みたいなの(線香がちょろっと立ってたけど香炉?)に扇の紋がありました。

こちらでは10月にお練りが行われるそうで、行道面の展示があって、だいぶ新しいものだと思いますが手に取らせてもらうことができました。
内陣に入り、阿弥陀如来と二十五菩薩とご対面。宇治の平等院を創建した藤原頼通の子、橘俊綱の持仏堂ってことで、うーん、いかにも平安時代っぽい左右のバランスがいい仏像がそれぞれ楽器を持って、4列のひな壇にぎゅっと…ああじっくり1体ずつ見たいけど後ろの方がよく見えない。
壁がのっぺりと白いのが少しさみしく、気になる感じがします。平等院と比べちゃうとね…最初はどう並べられてたんだろう。
むしろ内陣よりも外陣から見た時の窓で切り取ったように見える顔が並んだ景色の方が強い印象が残りました。
あと大自在菩薩のすごいいい笑顔。
せっかくなので那須与一のお墓にもお参りしました。
続いて坂を上っていて、法螺貝の音に引かれて戒光寺に寄りました。境内で護摩供養をしてて、しばし見物。

後から知ったけど年2回の弁財天の御開帳の日だったそうです。お参りしたらよかったー。
本堂で丈六の釈迦如来像。光背のためまるで仏龕に収まっているような感じで、凄い迫力のあるお姿でした。
次に行ったのは雲龍院。泉涌寺は七福神巡りが有名なんですが、こちらが大黒天なのでいつか行きたいと思ってました。
こちらではミドコロを書いた紙をいただけたのがよかったです。大石内蔵助の書とか色々ありましたが、霊明殿に祀られている後光厳天皇、後円融天皇の坐像が首が抜けるようになっていて、非常事態にはお顔だけでも持って逃げられるようになってるというのが…仏像でもお顔だけ当初のものであとは後補とかあるもんなー。像を守るための手段ということで、けっこう深い話かも。
鎌倉時代の走り大黒は台所におられました。すごい…悪い顔でした。御朱印と絵葉書を頂く。
次に向かったのは妙法院。国宝の庫裏に入れるということで行ってみました。
隅っこの上の方に小さな大黒さんがおられた。大正時代のものだったけど、また悪い顔だった。
こちらでは護摩堂の不動明王が見られました。左足を少し上げているというのが珍しい。
それから御本尊の普賢菩薩騎象像にもお参り。
応挙とか山楽とか絵もあったのですが、西日が入り込む部屋で、時間的にあまり鑑賞にいい状態じゃなかったのが残念でした。
もうちょっと早い時間に行ければよかったけど、1日であちこち周って欲張りすぎました。

