実家にて

読書

 また鈍行で五時間かけて帰省。こちらはお盆が今週なので、実家はいろいろと忙しく、手伝いのための帰省。
 普段の倍は働くことになるな。

 移動に時間がかかったので二冊読む。

 『パニックの手』(ジョナサン・キャロル)読了。
 奇妙な短編集。
 共通するのは、読者を放り出すようなラスト。それは時に地獄に放り込まれたように、時に迷子になった自分を見つけたように。あっけない最後に思えるものも多いけど、作者は書くべきことは皆書いたと言わんばかりで、口を挟む余地はない。
 好みとしては、思い出を見つけることで主人公を翻弄し、思いがけない落ち方をする「おやおや町」、だんだんしみてくる「秋物コレクション」、「手を振る時を」……このへんは、最小の労力で最大の効果をあげてる短編だなあ。なんてことはない話なのにやりきれない。

 『ゴールデン・フリース』(ロバート・J・ソウヤー)読了。
 宇宙船で死亡した女性科学者。自殺と判断されたが、彼女の元夫が疑問を抱く。
 冒頭の犯行シーンからずっと犯人の一人称で進むので、倒叙小説と言えるかもしれない。SFだけど、ミステリ読みの心もかなりくすぐる展開。
 その犯人は宇宙船を制御するコンピュータ。なぜ殺人が起こったのか? 殺人の事実に気付かせないためにコンピュータは何をするのか、そして被害者の元夫はどうやって真相に肉薄するのか……興味でいっぱい。そして期待を裏切ることのない真相。
 かなり楽しみました。