今年は四国霊場開創1200年だそうで、四国4県のそれぞれで「四国へんろ展」が開催されました。
お遍路への興味って自分の場合何から来てるかよくわからないんですが、勢いで4県まわる決心をして、2回に分けて行ってきました。
1回目は9月。
夜行バスで高知に朝6時に着いて、会場が開くまで土佐電の1日乗車券を買って終点の伊野まで行って椙本神社にお参りしたり、途中下車してちょっと歩いたりして時間をつぶし、高知会場の高知県立美術館へ。
四国へんろ展の構成は各所とも、弘法大師信仰、へんろ成立以前の四国の信仰、四国へんろの形成と展開、それから各地の霊場の文化財となっています。
弘法大師信仰ってぴんと来なかったんですが、同行二人の精神で厳しいへんろ道を歩いて、札所で出会う(姿を現す)弘法大師像っていうのは格別な宗教体験なのかもなー、と図録の文章を読んで思いました。
高知で印象的だったのは、まずは最御崎寺の石造(大理石?)の如意輪観音半跏像がすごく肉感的だったのと、あと面白かったのは金剛頂寺の平安時代の密教法具をまとめた旅壇具、土佐神社の神宝鯰尾矛。柄の方が口を開けた鯰の頭になってるみたいな今まで見たこと無い形状の銅製品。
仏像は全体的に優品っていうのか、いい仏像が多いなーという感じ。
長宗我部氏の菩提寺である雪蹊寺の湛慶の毘沙門天立像と脇侍の三尊像は、夫婦と子供の一家の像にも見えて、吉祥天の衣服の襞の表現とか善膩師童子のあどけない表情とか、これから湛慶って言われたらこれを思い出すことになるだろうなー。
金剛頂寺の両頭愛染曼荼羅図もよかったです。高野山霊宝館にあってもおかしくないような。
見終わった後は夕方まで軽く観光してバスで松山に移動して松山泊。
翌日、愛媛会場の愛媛県美術館へ行きました。
愛媛会場では、高知の海沿いの巡礼道というイメージから山岳信仰のイメージへ。なんつっても石鎚山がありますもんね。蔵王権現の懸仏とか見たことないような可愛いお顔でした。それから愛媛には開創が役行者っていう札所もいくつかあるんですね。俄然興味が沸いてきた。
それから九州との地理的な結びつきとか、中国、九州地方から四国入りする時の玄関口としての面も分かる資料がありました。
あとは、愛媛出身の一遍上人に関する展示(国宝の一遍聖絵は残念ながら展示期間外で複製でしたが)、最近の調査の成果ということで太山寺の宝物がたくさんあって印象に残りました。
仏像では浄土寺の空也上人像。六波羅蜜寺のと比べてもたぶんひけをとらない気がする、けど、表情があまりに違っていて、何て言ったらいいんだろ、惚けたようなちょっと正気を失ったような表情に見えて異様に感じた。
太山寺の十一面観音はいかにも平安仏って感じで、優美で華やか。
歴代の天皇が納入したという十一面観音像が本尊と併せて7躯あって、展示写真で見たけど十一面観音ばかりがそれだけ並んだ内陣ってだいぶ珍しいと思います。50年に一度のご開帳は行けないけど、国宝の本堂も見たいしいつか行きたい。
愛媛会場では、たまたま切れてたのか見逃したのか分かりませんが、出品目録がなかったのが残念でした。
その後は松山から高松にJRで移動して家族と合流して、美味しいお店をまわったり、その次の日はレンタカーで白峰寺へ。崇徳天皇850年御忌法要で崇徳天皇の御廟所の頓証寺殿奥殿ご開帳と寺宝館公開に行った後、瀬戸内海歴史民俗資料館と四国村ギャラリーの「手のひらの上の仏像」展をはしごしました。
で、先週12日。今度は徳島と香川に行ってきました。
朝6時台の高速バスで徳島に行き、バスで徳島県立博物館へ。博物館まで行くバスは本数が少なかったので、手前の市原行きのバスに乗って歩いたら、けっこう交通量があるわりに歩道がなくて怖かったです。
徳島会場では、さすがに3県目ということで、他会場で見たものも複数見受けられます。
徳島ならではってことでは、板碑の拓本がいくつかありました。阿波式板碑というのもあるらしい。
兵庫県の浄土寺から重源上人坐像が来てました。すごい写実。
出品目録を見て、期間外だった雲辺寺の聖衆来迎図は見てみたかったな〜。
4会場まわった中では展示とキャプションがわかりやすくて、札所の写真展示もよくって、もしへんろ展を全然見てない方にまとめとして1箇所勧めるなら徳島会場だな〜と思いました。好きな博物館になりました。
バスで徳島駅に戻ったら、10分後に特急が出るということで、おにぎりだけ買ってJR乗車。1時間くらいで高松へ。
最後の香川県立ミュージアムへ。
入り口で善通寺の金剛力士像がお出迎え。
善通寺の国宝錫杖頭とか、あと弥谷寺の四天王五鈷鈴は法具の鈴に四天王がついているもので珍しかったです。
珍しいといえば、和歌山の金剛峯寺からきていた水神像。室町時代の小さな像ですが、異様でした。銅製品に食いつく。
香川は智証大師の出身地でもあって、金倉寺の重文智証大師像が見られたのもよかったです。
4箇所まわって得たものは、四国八十八所ということで一括りに考えていましたが、四国っていってもところ変われば全然環境が違うように、1つ1つのお寺さんの信仰も、来歴も、かなり多様ということ、四国へんろの成立以前という視点が得られました。
最後の方の感想がぐだぐだになってきたけど、やっぱりお遍路は歩いてみなきゃな〜という結論です。

