東京1日目~「奇想の系譜」とトーハク

夜の東京都美術館前オブジェ 美術館・博物館

2泊3日で東京に行ってきた。
一旦浜松の実家に帰って1泊し、午前中に親の病院に付き添って、駅周辺でランチを一緒に食べてから新幹線に乗った。

15時過ぎに東京駅に着いたので、先に2泊お世話になるホテルにチェックインすることにした。
今回のホテルの最寄りは三越前駅で、東京駅からルート検索したらあれこれややこしい経路が引かれたが、マップを眺めていたら東京駅の日本橋口から実は遠くないな? と思い始めて、歩いて行くことにした。

日本銀行付近の桜並木

日本銀行らへんの通りの桜が満開だった。
大阪でも実家の浜松でも二、三分咲きといったところだったので、東京で先に満開になっているのは不思議な感じがした。
ホテルにチェックインし宅急便で送っておいた着替えなどの荷物の整理をして、17時過ぎに出発。
地下鉄で上野に移動した。

この時点では夜間開館をしている東京都美術館の「奇想の系譜」展とトーハクの「東寺」展のどちらに先に行くかは決めてなかった。
上野公園に入り東京都美の方にまず様子を見に行ってみると行列がなかったので、そのままするすると入り口に吸い込まれる。

奇想の系譜展

「奇想の系譜」展。
辻惟雄の『奇想の系譜』で紹介された岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳に、白隠、鈴木其一の2人を加えた8人の画家の絵がそれぞれまとまった点数見られた。

展示は若冲の象と鯨から始まる。
紫陽花と鶏はちょうど岡山で同じ画題を見ていたが、岡山のは白紫陽花でこちらのは深い青緑色。鶏もだいぶ線の感じが違い、描いた時の年齢によって違いがあるというのがよく分かった。
今回新出ということで紹介された六曲一双の鶏図も、京都の金戒光明寺あたりで見たものとちょっと印象が違ったような…いうてもあれもけっこう前に見たものだから、また機会があったら見に行きたい。
芦雪はあの黒牛を背にした白犬にお目にかかれてよかった。
大乗寺の群猿図襖、西光寺の龍図襖と大きいのが来ていた。

気づけば今回の展覧会はキャプションなどの情報量が少ないように感じた。
山中常磐物語絵巻はせっかくパネルを貼っているんだから、ちょっとした場面の概要くらいあってもいいと思う。

岩佐又兵衛の老子出関図は老子が奇矯な顔をしていて…めちゃ楽しそうだった。この画題、けっこうさみしそうな老子が多いから。
狩野山雪は久しぶりに見たが、その画面構成、空間の構成が凄かった。
屏風の屈曲まで考えに入れた空間の奥行き。立つ位置を変えてどこから見ても構図が自然に決まり、世界が広がる。
今のこの知識を持って京都の山楽・山雪展に戻ってじっくり見返したい~としみじみ思った。

後半の白隠、其一、国芳は人が滞留して混み合ってきたこともあり、遠目に見た。
この日見た画家の絵は現在充分に人気があって目にする機会があり、今春もとてもよく見た。
これだけ目にするようになってくると、奇想とは何だろう? となってくる。これらの画家が埋もれていて紹介された当時ならいざしらず、今現在、彼らをくくる言葉として適当なのかな。
まあまだ『奇想の系譜』を読んでないので、そろそろいっぺん読まないとな~などと考えつつ公園をぶらぶら歩いた。

夜間開館の日はトーハクは21時まで開いているが、特別展を見るには心もとない残り時間だったので、常設だけ見ることにした。

夜の東京国立博物館

夜に見る本館は雰囲気が違う。

東京国立博物館の前にある大きな木

こんな大きな木が本館前にあるのも夜でなければ意識しなかっただろうな。
いつもトーハクに来るときは、特別展目指して一目散ということが多いので、こうして余裕を持ってぶらぶら来るのは初めてだったかもしれない。

まずは平成館の考古室へ。
経塚特集をしていて、山口県防府市の貝殻経や、三重県津市や長野の一石経などが展示されていた。こういうその土地ならではの素材にお経が書かれているのを面白く思う。
全国の経塚の分布図のパネルが参考になった。
なんか各地の博物館でそのエリアの経塚の展示を見ることはあるけれど、それをより広域的に俯瞰して見るということはあまりないから、時代や地域による共通点とそれぞれの独自性とか…もしかして探せばそういう本があるのかもしれないな。

あと石上神宮伝世の5世紀の鉄盾、縦2メートルくらいあるの。でかい!とすっかり気分が盛り上がる。

それから特別展の東寺展にあわせて、本館の密教彫刻の世界という特集では垂涎ものの仏像が色々見られてすっかり満足した。
千葉県小松寺の13世紀の十一面観音坐像、多武峰伝来の金銅仏みたいな檀像、それから栃木光得寺の厨子入り大日如来は美しかった。獅子が支える蓮台の上、雲上菩薩は金剛界曼荼羅の37尊。すごい光背。
撮影は禁止だったが、部屋の入口にあった看板に写っていたので記念に撮らせてもらってきた。

「密教彫刻の世界」看板

夜の博物館をふわふわ歩いて、普段は別段興味がなくて見ないものをあれこれ見るのはとても楽しい。
庭に出る扉の向こうに夜桜が見えているのもとてもよかった。

東京国立博物館の休憩室から見えた桜

トーハクを出て地下鉄に乗り三越前に移動。
大学の同期と合流して、コレド室町にある居酒屋で軽く飲み。

てづくり豆腐

自家製ごま豆腐とか

肉料理の皿

うまい肉とか。
すごく香りがよくて地獄のように甘い日本酒ベース? の飲み物とかなかなか女子っぽいものを飲み、しゃべり、日が変わる前にホテルに帰還して1日め終了。

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