岡山でやってる江戸・明治の絵の展覧会が凄いらしいと耳にした。
いつもなら岡山はちょっと遠いなと思うところだが、青春18きっぷの期間だったので日帰りで行ってみることにした。
展覧会一つの予定ならそれほど欲張る必要はないので、朝のラッシュ時間を回避してゆっくり目に出発して11時台に岡山駅に着いた。
お城のところの川沿いにあるmoyauというカフェでランチ。

カウンター席があるので一人でも気兼ねなく座れた。川が目の前でとても気持ちいい。
腹ごしらえしてから岡山県立美術館に向かった。
自分が日本画を意識して見始めたのはいつだろう?
鎌倉旅行の時にたまたま鏑木清方の美術館に入ったのは覚えている。
それから大きなきっかけになったのは2013年に見た愛知の円山応挙展と、京都の狩野山楽・山雪展だったかな。それから竹内栖鳳、蘆雪と見て、若冲を知って…少しずつあちこちで見てまわった江戸・明治時代の絵画の、総決算みたいな展覧会だった。
最初の部屋から若冲の花、応挙の孔雀、曾我蕭白、酒井抱一と華やかすぎる導入。若冲の紫陽花の花とふさっと座ったにわとりのふくらみがとてもいい。
今回は単眼鏡を持っていったし展示室も余裕があったので1枚ずつじっくり見ていたが、このペースだと最後まで見切れないな?と思い始める。
応挙は孔雀と美人などがあったが白狐と地蔵菩薩の絵はちょっと珍しく思った。蘆雪は背中を向けている猫がかわいい。呉春、与謝蕪村、池大雅……浦上玉堂、青木木米がけっこうあった。青木木米好き。
池大雅と蘆雪の指頭画が並んで線の違いが比較できたり。
小泉斐は鮎が得意で、画面に描き込まれた鮎の数で画料が変わったという話。ならばこれはけっこう奮発しただろうな…とかそういう。
小泉斐の富嶽全図巻の図様を谷文晁が引用しているというのを見て、そういえば前に静岡の富士山展で谷文晁の富士山を見てとても感動したけれど、今回見たときにぱっと思い浮かんだのは原在中だったなあ。
江戸時代に洋画に影響を受けた絵のコーナーがあって、まさに過渡期というか折衷の面白さがあったけれど、そのなかでも小田野直武の蕨と虻の絵が強い印象を残した。
今回特にいいなと思ったのは酒井抱一だった。雪月花。宗達も好きだし、琳派好きかもしれない。柴田是真とか。
白隠、仙厓のゆる絵がある一方で北斎の超絶細かい筆技もある。
あと冷泉為恭の襖絵の構成がとても好きだった。
そういえば展示室内に重森三玲の茶室の復元があり、その襖の青が印象的だった。北斎といい冷泉為恭といい、鮮やかな青い色にぱっと目がいった印象が残った。
階を移動して明治時代の展示へ。こちらは東京と京都からバランスよく出ていた感じ。
橋本雅邦は今回初めて意識して見たと思う。五姓田派はほんと五姓田派って色だなーとか。
それから狩野芳崖の陰影のメリハリがきいた線はとても好きな感じで、前にあった芳崖展行っとけばよかった~~と思った。
今村紫紅の「熱国之巻」はインドの風景、日本にない色の世界。それから竹内栖鳳が複数。雀いっぱい、美人、それから羅馬古城図。松園の上品な美人。
日本画と聞いて思い浮かべるイメージが、豊かに多彩に広がり深まる展覧会だったと思う。
ほんと情報量が多すぎたので、図録を読んでじっくり反芻したい。
特別展だけでかなり時間をかけてしまったが、一応常設も余力を振り絞ってまわった。常設は特別展の時代のその後、岡山の明治~平成の絵画。中津瀬忠彦の「ナポリ風景」に惹かれた。

仙厓さんのししまい。
電車に乗る前に休憩しようと、禁酒会館の1階にあった喫茶店に入りコーヒーを1杯飲んだ。
岡山に行くたびに気になってた建物だったが、喫茶店があったんだなあ。店の奥が庭になっているようで、緑を見ながら休むのはたくさん絵を見た後にちょうど快い感じだった。
帰りは乗り換え少なめで座って帰りたかったので、播州赤穂経由で帰宅。

