最近読んだ本

読書

あまり支持されない意見だと思うが、北川歩実の魅力は登場人物のパンクさだと思っている。
平凡な利己的な理由で目的を果たすために、ふつうの人なら手放せない常識を、良識を、あっさり逸脱してくる登場人物たちの冷酷なメンタル。
私はそこにこのうえないパンクさを感じるのだ。

というわけで最近読んだ北川歩実の『熱い視線』(徳間文庫)はノンシリーズの未収録短編集だったのだが、どの短編もそんな北川さんらしい登場人物たちがサクレツしていて非常に楽しんだ。

利己的にどこまでも非情になれる登場人物たちだからこそ、そんな彼らが心理的に「揺らされた時」の怖さはなんというか、さらに倍、だ。

次に読んだのはテリー・ビッスンの『世界の果てまで何マイル』。
元々この作者の『ふたりジャネット』が好きだったのと、最近ロードノベルが読みたい気分が高まっていたので、読むのを楽しみにしていた1冊。

読んで、これ好きだーっと思ったはいいものの、この作品の魅力を人に語ろうと思うと、少し難しい。
もう故郷には戻れないという気持ち、かっこいい車、通り過ぎていく風景、ジャンクなフード、不穏な追っ手、隣には愛らしい少女、世界の果てまでも続いていく道。
うーん、他に何が必要っていうんだろう。

そうそう、『メルカトルかく語りき』も読みました。
麻耶雄嵩は長編はろくに読んでないのに、短編集だけ読んでいるという非常に微妙な読者です。
1話目の「死人を起こす」で既になんっじゃこりゃあああと暴れていたら、家族にそんなのまだ序の口だと鼻で笑われる。
そして「答えのない絵本」で再び大暴れして、家族に麻耶雄嵩の素晴らしさを諄々と説かれてしまう。うーん、意図は分かるけれど、だからといって納得できるかどうかは別なんだよな……。
家族にそんな性癖があったとは意外だったが、「九州旅行」は趣向といいメルカトルの銘探偵らしさといい、けっこう好みだった。

最後に『虚構推理 鋼人七瀬』(城平京)。
『名探偵に薔薇を』の1作しか読んでないけれど、けっこう大きな印象が残っていた作家だったので、講談社ノベルスで新刊が出たということでいそいそと読んでみた。

設定は漫画だけれど、中盤のどうやってアレを倒すかが明らかになる流れがツボにはまる。
最後の推理は、期待値を上げすぎたためか若干物足りなくはあったけれど、もしシリーズになるならこれからの作品も欠かさずチェックしたいところ。
登場人物のキャラクタも気に入った。

……久々に感想らしきものを書いてみようとしたら、ナニガナニヤラという感じになってしまったが、リハビリなのでこんなもので……。