奇想コレクションの『元気なぼくらの元気なおもちゃ』(ウィル・セルフ)を読んだ。
最初の2、3編を読んだ感触を一口で言うと、この作者はキレ者でキれ者っぽい、という印象。
何でも達者に器用に書けるのに、予定調和を、作品世界のあるべき姿を、あっさりと逸脱してしまう。
分かりやすい文章にも裏があるように見えてきて疑心暗鬼になる。
信用ならない作者だ。
なんというか、面白かった、ということです。
本来だったら敬遠してしまいそうな虫との世界なのに詩的でうつくしい「虫の園」、ロードノベルとして一級品の表題作「元気なぼくらの元気なおもちゃ」が好み。
それから、この本は訳がとても良かった。
普通に読んでいてもここは苦労されただろうなーという箇所が分かるんだけど、原文の雰囲気を伝えるための言葉の選択に妥協せずに取り組まれてるように読めました。
この訳者さんの訳された本も探して読んでいこうと思います。

