『文藝怪談実話』(東雅夫編)読んだ。
ちくま文庫の文豪怪談傑作選の特別編。
アンソロジーの中に、複数の目撃者がいる実話をそれぞれが書いた話が意図的に並べられている。
どこかの時点では実話であったものが、認識のずれ、記憶の揺れ、意図的な文章によってどことはなしに曖昧さが漂ってきて、並べたことでより面白い怪談になっている。
編者さんすごい、というほかない。
田中河内介に関する記述、噺家さんの話、役者さんの話、作家の話、どれも個性があって面白いけど、読んで肌にちりつく怖さを感じたのは淡谷のり子の話だった。
好きなのは都筑道夫の「夜の寺」、小林秀雄の「菊池寛」。
芥川龍之介の「凶」は他の本で読んでいたけど、ここに入っているとまたひときわ異様。

