北村薫と宮部みゆきが編纂したアンソロジーです。
ユーモア、哀愁、なんかよくわからないもの、怖いもの、ボリュームのあるもの、さらっと軽く読めるものと、味わいは様々。
好みとしてはテーマ性が強くてちょっと重めの短編が好きなんですが、短編というのは軽いのも重いのもそれぞれに面白みがあるんだと気づかされる一冊です。
なかでも「少女架刑」が凄すぎて、「となりの宇宙人」が面白すぎるんですが、いちばん好きなのは井上靖の「考える人」。
なんというか、私の理想の世界なんです。旅をして、目的を同じくした仲間が一緒にいて、ひとつの新しい物語が生まれるところを目の当たりにするっていう。
死を巡る静かな旅の風景、ひとりひとりが自然と語り始める物語は、空想的でありますが、そのままその人物を映し出していて、そして最後に物語が現実にとってかわる。
なんていう短編でしょう。
