昼間に仕事をすませて、陽射しのやわらかくなった夕方に近所の河原まで出かける。
コンクリートの堤防に座って川面を渡る風に吹かれつつ本を開き、時に空を見上げて飛行機雲を眺め、ジュースをごくり。(味覚が子供なのでビールは飲めない)
夏サイコー。
ところで、8月に読む海外ミステリを準備してみた。手元にある本を優先で。
『三つの棺』 ディクスン・カー
『夜歩く』 ディクスン・カー
『途中の家』 エラリイ・クイーン
『リリアンと悪党ども』 トニー・ケンリック
『シンデレラの罠』 セバスチアン・ジャプリゾ
『陸橋殺人事件』 ロナルド・A・ノックス
『招かれざる客たちのビュッフェ』 クリスチアナ・ブランド
カーはメジャーと思われる『皇帝のかぎ煙草入れ』『火刑法廷』とかも読んでないんだけど、一気に読んだら先の楽しみがなくなるのでちょっとずつで・・・・・・。
後は、手元に全部揃ってないので入手でき次第になるけど、『世界短編傑作集』を5冊通して読みたい(2と3だけ読んでるけど)のと、ずっと読んでみたいと思いつつなかなか手に取らなかったローレンス・ブロック作品をどれか。それから、どこかで見つかったら国名シリーズ。
余裕があったら世界探偵小説全集ももうちょっと進めよう。さて、何冊読めるかな~。
『しあわせの理由』(グレッグ・イーガン)読了。
SFの短編集。『祈りの海』とほとんど続けて読んだ。
一編読むごとに、どうやったらこんな設定、こんなアイディア思いつくんだろうと、毎回感心する。しかもそのアイディアがほんのマクラだったりして、なんて贅沢なんだ。とにかくすごいや。すごいやっ。
後は、印象に残った短編について一言ずつ。
「貸金庫」 主人公に何が起こってるのか、読み取るのに時間がかかったけれど、その奇想天外さに驚く。
「繭」 これまた物凄いテーマをつきつけられてしまった。研究所を襲ったテロの動機が明らかになる時のカタルシス。それはこのテーマの元々の興味の深さに左右されるだろうけど、私の興味範囲ぴったりなので、ここで示されたことについては何度でも考えてみたい。
「誘拐」 誘拐されているはずの妻は家にいるのに、繰り返される身代金の要求。主人公は何に金を払うのか、かなり興味をひきつけられる。
「放浪者の軌道」 これは、芝居で見たい話だなあ。
「ミトコンドリア・イヴ」 人類の祖先をめぐる狂想曲に巻き込まれた主人公。面白い。
「祈りの海」 豊かなイメージを喚起する海の世界とその宗教。一度深く宗教にコミットした主人公が経ていく経験は皮肉的でブラックな笑いに満ちているけれど、たどりつくラストは余韻を残す美しい場面。主人公が何を考えているにしろ。
「適切な愛」 これまたすごい設定。旦那を生き延びさせるために、子宮に旦那の脳を孕まなければならない羽目に陥った主人公。これは子宮のある無しでヨミドコロが変わりそう。もちろん私は自分だったらドウスルとかぐるぐる考えましたとさ。
「闇の中へ」 単純な好き嫌いでいったら、これが一番好きな短編かもしれない。設定も、主人公の言動も面白いけれど、この最後のなんともいえない時間を共有する人々の気分が、何故かとても身近に感じる。
「愛撫」 前半の、未来(?)の警察のあり様の描写がかなり面白い。こんな警察小説読みたいよ。
「道徳的ウイルス学者」 人を裁くために作ったウイルスがー。ブラックな笑いに満ちた一編。
「しあわせの理由」 アイデンティティの話。なんというか、全然そぐわないけれど、カッコイイ。読む人を奥底で動かす小説ってこういうのだ。

