自分のことを、首に鈴をつけられた猫だと考えるのはそれほど愉快なことじゃない。
時には好きに走ることもできる。けれどいつかは必ず帰らなければならない。自分の居場所に。
そんなことを考えていたせいか、最近どうも昔の記憶に浸りたくなる。
天気予報で、朝から夜まで降水確率0-20%を確認して、海に行ってみることにした。
単に、LOMOで砂丘を撮りたかったというのもある。
小学生の頃、春の遠足は必ず街の南のほうにある砂丘に行くことに決まっていた。高学年になると、片道8kmほどの道のりを徒歩で往復する。
不確かな記憶によれば、それなりに広い自動車道路をえんえんと歩き、道の片側にレンゲ畑が広がると海はもうすぐ。市名の由来にもなった松並木の向こうに砂丘が広がり、砂の丘を越えれば、海だ。
駅でバスに乗ると、ほんの250円の距離。
昔レンゲ畑だったところはどのへんなんだろう。点々と建っているラブホの記憶で塗り替えられている。
そんなこんなで、よりによって2月の朝9時に砂丘にいた。
砂上で体育座りしてみた。ほんの数枚の写真を撮った。
こんな日のこんな時間にここにいるのは自分くらいかと思ったら、3、4人のサーファーと、散歩らしき人が数名。

風が強く、足跡はすぐ消える。記憶と一緒だ。
海浜公園まで戻ったところで、ブランコを発見。いつでもブランコに乗る機会を虎視眈々と狙っている身としては、乗らないわけにはいくまい。
不機嫌な顔で全力で漕いでいたら通りすがりの人に写真を撮られたがキニシナイ。

帰りは歩いて帰る。畑らしきものはあったけれど、レンゲの面影はなかった。
駅の近くまで戻って11時。モスで昼食。帰るには少し早いので、駅から2kmほど離れたブックオフに徒歩で行くことにした。
収穫はなかったけれど、手ぶらで帰るのは痛む足が悔しいので、3冊購入。
『風に訊け ザ・ラスト』 開高健 集英社文庫
『寝台特急「はやぶさ」1/60の壁』 島田荘司 光文社文庫
『深夜倶楽部』 都筑道夫 徳間文庫
だんだんテンションが高くなってきたので歩いて帰宅。

