芥川賞作家、開高健がプレイボーイに連載していた人生相談の文庫版、2冊目。
開高健との出会いは高校生の時で、それはなにか、多分人生みたいなものについて自覚的になる大きなきっかけであり、一度は心酔して……そして、最後に反発した。
その過程を述べることはしないけれど、だから開高作品に(それがエッセイでも)触れるのは、私にとって複雑なものなのだ。
さて、プレイボーイの読者層……は知らないけれど、自意識過剰な高校生からイイトシと呼ばれる年齢まで、様々な相談者の相談。人生相談といっても、新聞の家庭欄にあるような実際的な問題は少なくて、思想的だったり、思想というまでもない普段考えていることだったり、開高自身への質問だったり、色々だ。
開高作品と離れている間に勝手に高まっていた開高イメージと違い、思っていたより偉そうでもなく、思っていたより知ったかぶりでもなく、思っていたよりは自意識過剰な相談者にも優しい開高がいた。
うーん、この感想、本当に私以外には何の意味もなさないな。
まあ、勝手に私が抱いていたマイナスイメージが良い方向に裏切られたということで。
印象に残ったのは、天才は100万人に1人くらいだけど、自分を天才だと思っているのは100人に1人くらいいるという話。
けれど開高はそんな妄想をあったかい目で見る。そうだ妄想からだって何かが生まれるんだ。

