マダムと奇人と殺人と

映画

 今週で上映が終わりだったので、ちょっと慌てて九条のシネ・ヌーヴォへ。
 ちょっと早く着いたので、木の椅子に座って本を読んで待ちました。映画「陰獣」のポスターが飾ってあり、ちょっと欲しいなと思ったけれど、家に飾って日常的に『陰獣』のことを考えるのはちょっといやかもしれないと考え直してみたり。

 『マダムと奇人と殺人と』鑑賞。
 監督のナディーヌ・モンフィスはフランスでレオン警視シリーズというミステリを書いている作家で、今回自分の作品を自分で監督したという。ちょっと検索してみたけれど、未訳のよう。
 テクニカルコーディネートで「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネが参加しています。

 内容はというと、美大生の死体が墓地で連続して発見され、主役のレオン警視が捜査を開始し、ビストロ「突然死」にたどりつくんだけど、そこに集まる奇人たちは警視に反発。知っていることを話さなかったりしてまあまた意外な展開もあったりして。
 レオン警視もちょっと奇人なんだけど、登場人物たちが捜査側も容疑者側も関係ない人たちもみんな奇人だらけ。まともな人間はベルギーにはいないのかという感じ。
 画面はカラフルで、ヨーロッパの古着好き&雑貨好きならファッションやインテリアを見るだけでけっこう楽しめると思う。(生々しい死体も出てくるけど)

 奇人だらけの殺人喜劇かと思って気楽に笑いこけていると、終盤は急にサスペンスフルに。それまで笑っていた相手を手に汗握ってがんばれ、がんばれと応援してしまう。
 奇人が繰り出してくるユーモアが、突拍子もないものばかりでなく、次第に登場人物に感情移入させているからだろう。

 ミステリとしての出来はあまりいいとはいえないし、最初の頃にあった設定がだんだんどうでもよくなってくるという、全体的な出来は荒いんだけど、愛すべき作品。
 ・・・・・・原作、一体どうなんだろうなこれ・・・・・・。

 ところで「突然死」という名前のビストロや、作中で登場人物が飲んでいる「突然死」というビールは実際にあるそうだ。
 もしDVDが出たら買って、”Mort Subite”を飲みながらもう一度見たいものだ。

 まっすぐ帰る。