鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言

映画

ナナゲイで「鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言」を見た。

法隆寺宮大工棟梁の家に生まれ、法隆寺の解体修理、薬師寺の金堂、西塔などの再建に携わった西岡常一さんの聞き語り映像など。

本で読んだ知識として、薬師寺がいつ建立したか、いつ焼失したか、いつ再建したかというのは知っている。
初めて薬師寺を訪れたのは中学の修学旅行だった。
東塔と朱色が鮮やかな西塔は一見アンバランスに見えたけれど、そう感じるのは今現在の点で見ているからで、ほんの100年前には西塔は焼失していて存在しなかった。そして100年後には、200年後には今よりしっくりくる姿でそこに在るのだろう。
奈良の魅力は人ひとりの人生でははかれない時間の流れ、連続性にあるのだと気づくきっかけになったお寺だった。

こうして映像で見てみると、薬師寺の伽藍再建がどんなに大きなプロジェクトだったのかを改めて実感する。

西岡さんが飛鳥の、白鳳の、室町の、と並べる言葉はただの単語でなくて、それぞれの時代の職人が確かに残した技術の跡と、ご自身の何十年という経験に裏打ちされた知識がある。

道具を使う場面、道具について語る場面は特に良かった。
槍鉋は、折れ釘を集めて堺の刀鍛冶に作ってもらった、なんていう話とか、1日の仕事が終わったら、夕食の前に道具を研ぐのだとか。

槍鉋で削られた木目のなめらかさを見れば、それは他の道具と違うのだと一見して腑に落ちる。