年をとったせいか、刺激に対して鈍感になっているところがあるのですが、久しぶりに幼い頃の読書体験を思い出しましたよ。
大人に禁じられたものをこっそり覗く、あまーい罪悪感を。
4編入っているのですが、「白昼鬼語」が印象強すぎます。
殺人が今夜起こることをつきとめたのだ、と語る友人と「私」はまるでホームズ&ワトソンですが、こちらの目的は「殺人の瞬間をこっそり覗くこと」。
そして、谷崎が筆を尽くして描写するその場面ときたらもう。
官能的な描写のみでなく、サスペンス要素も多々あり、結末まで息をつめてかれらの行く末を見守ってしまいます。
この、くらい悦び。

