高槻「藤原鎌足と阿武山古墳」から京都市歴史資料館

今城塚古墳 美術館・博物館

高槻市の今城塚古代歴史館としろあと歴史館が2館連携でやっている合同特別展、「藤原鎌足と阿武山古墳」に行ってきた。

まずは阪急富田駅からJRの駅前まで歩いて、30分に1本の市バスで今城塚古代歴史館へ。
こちらの展示は、藤原鎌足の時代、だいたい乙巳の変から壬申の乱くらいまでの宮都の遺跡や古墳の紹介が主だった。久しぶりに明日香行きたくなる。

藤原鎌足の墓と有力視されている阿武山古墳は、ロビーで昭和9年発掘時の写真パネルと、夾紵棺(麻を何重にも漆で重ねて固めた棺。表面には黒漆、内側は朱漆が塗られているかなりレアな棺)レプリカが展示されていた。

阿武山古墳の復元された夾紵棺

牽牛子塚古墳では破片で発見された夾紵棺が、阿武山古墳では完全な形で発見されたそう。
X線写真では、玉枕の姿もくっきりで、見ていてかなり興奮した。

三島って地名を言われると現在の高槻と長岡京に挟まれた部分を思い浮かべてしまうけれど、古代の三島は東の天王山から西の千里丘陵までだから、けっこう広い範囲なのだな。
阿武山古墳で使われている塼と同じ工房で作られた塼が茨木市の古墳で使われていることとかなるほどなるほど…と満足して、外に出た。

せっかくここまで来たので、今城塚古墳の埴輪祭りも見ておく。

今城塚古墳の埴輪舞台

淀川流域では最大の古墳らしい。

今城塚古墳

古墳のすぐ近くにあったサニーサイドというパン屋さんでお昼。

サニーサイドのパンとアイスコーヒー

バゲットに海老とタコのアヒージョ、最高にくせになるおいしさだった。

その後バスで富田駅か高槻駅まで戻ろうとしたが、最寄りバス停の時刻表に1日1本しか時間が書かれてなかったので、バスが走ってそうな道路へバス停2つ分歩いてバスに乗った。
阪急に乗り換えて高槻市駅に移動し、しろあと歴史館へ。
公共交通機関+徒歩だとけっこう移動に手間取ってしまった。
2館の距離は3.6km程度らしいので、高槻駅から阪急のレンタサイクルでまわったほうが良かったかもな。

しろあと歴史館の方は、文献と藤原鎌足の絵画展示が主。
この2館連携で考古系と史学系で補完し合う特別展ってけっこうよかった。
京都の上善寺の宇賀弁財天十五童子像が展示されていて、左上に鎌足ぽい人がいて、それが園城寺の鎮守の新羅明神なんだそうだ。
鎌足は興福寺の維摩会を創始して維摩の化身として信仰されたため、維摩を本地仏とする新羅明神が鎌足像に仮託されて描かれたものがあるらしい。
なんかそう言われてみるとこういう勺を持った姿、大津のなんかの展示で見たことあるような…また園城寺関連展覧会があったりしたら注意して見てみよう。

なんで今回この展覧会を見ようかと思ったかというと、元々多武峰の談山神社が好きだったのです。
なんか自分の中に大きな白地図があって、こういう風に知識が増えると地図に書き込みが増えてく、その感じがけっこう楽しい。

あと特別展示で国宝金銅石川年足墓誌が展示されていた。

展示を見終えてJRの駅まで歩き、京都駅に移動する。
午前中に免許証の更新を済ませてきた相方と合流して、前から気になっていたお店でおやつ。

抹茶スイーツ玉手箱

玉手箱を開けると、ドライアイスの煙とともに…

抹茶スイーツ玉手箱の中身

すごい盛り上がったが、おやつとしては少し量が多かったかもしれない。まあ満足した。

おやつの後地下鉄で京都市歴史資料館へ行った。
先日休館日で見られなかった「京都市の文化財 新指定の文化財と明治の建物」展。
長岡京東南境界祭祀遺跡の出土品で、墨書人面土器祭り。この日はけっこう気持ちが考古づいてたのでおーっと盛り上がる。
それから善峯寺の見事なツボとか、円山応挙の祇園祭の保昌山の前懸下絵で波の上の巨霊人虎図とか、岸竹堂の角屋の松の間の太夫図と、なかなか見どころがあった。
岸竹堂の美人絵は初めて見たが、風情といい、着物の色合いと背景の松といいとても好き。

ロビーで八瀬の赦免地踊りの映像が流れていたので、閉館時間ぎりぎりまで鑑賞して出て帰宅。