今年はできるだけインプット多めにしようと、昨年よりは気持ち積極的に本や漫画を読んでいる。
映画も2本見てきた。
『SMOKE』 ウェイン・ワン監督/ポール・オースター脚本
モンキービジネスでポール・オースターを知って、最初に買って読んだのが『スモーク&ブルーインザフェイス』だった。
そのときに「映画いいよ」と薦めてもらったんだけどずっと機会がなく、今回デジタルリマスター版がかかっていたので見てきた。
客がタバコ屋に入ると、主人は「いつもの」を出してお釣りを数える。
最近の出来事やなんかを話しながらゆっくりと。そのやり取りで、その店にはちょっとした交流があるのが分かる。
妻をなくした小説家、家出少年、ヤク中の娘を連れ戻したい母親・・・・・・それぞれの人生にはそれぞれの重要な場面があって、おせっかいに介入するんじゃなく、隣人として立ち会う、そのおしつけがましくない距離感がいい。
言葉はなくゆっくりと煙が漂う場面に、そこにある複雑な感情を思う。
しみじみいい映画だったーと思った。ハーヴェイ・カイテル最高や。
ほかにどんな映画に出てるのかなーと思ったら、『グランド・ブダペスト・ホテル』に出ていた。そういえばいたいた。
『神聖なる一族24人の娘たち』 アレクセイ・フェドルチェンコ監督
大阪でやってた時に見逃してしまったので、神戸の元町映画館まで行ってきた。
ロシア西部のヴォルガ川流域のマリ・エル共和国に住むマリ人は、ロシアに支配されていたもののロシア正教の布教が十分行われず、伝統的な自然崇拝が残っているらしい。
タイトル通り24人の娘(?)が1人ずつクローズアップされるオムニバスで、最初はおまじないとか雪の中の祭りとか撮った民俗学的なドキュメンタリなのかなーと思っていたら、そのうちしれっと人の中に精霊や死人が混ざり始めて、なんだろうこれ・・・・・・古今著聞集とかのちょっと不思議な話をそのまんま映像化したみたいな。
日本人としてはけっこう馴染みやすい世界でもあると感じた。
娘の体調不良の原因を知るためにパンや鵞鳥を捧げ物に持っていくとか、死んじゃったお父さんが村人に連れられて帰ってきて、なんか家で縦ノリで踊ってるとか、イケメンの死者を呼び出すいかがわしいパーティをしている娘たちに怒ったじじばばが箒や鋤なんかを持って駆けつけるとか、絵的に面白い場面がいろいろあって、フォークロアとちょっと不思議で面白い映画だった。
ただ投げっぱなしな話もあり、あの娘やあの娘の安否が気になるとかがあるから、DVDが出たら見て確認したい。
あーあとびっくりしたのは、昼食?で、オーブンで焼いた魚を手づかみで皿に盛って、パンをどーんと乗せて、あと付け合わせが生っぽいタマネギ半分だったやつ。