京都国立博物館コレクション展

日曜に京都国立博物館に行ってきた。
国立博物館の年間パスポートが今年の3月で終了というのは、毎年お世話になっているだけにけっこうショックなニュースだった。
まあなくなる分にはいいんだけど、4月から始まる新制度のメンバーズパスが、2000円で平常展示が何度でも見られるというもので、特別展とは別に平常展示だけを目当てに京都・奈良に4回以上行くかというと微妙(2016年は3回だった)
奈良博のプレミアムカードは5000円で奈良博の特別展が各2回見られるけど、春夏と2回ずつ+秋の正倉院展に行ってやっと、という価格設定は正直疑問。
セレブだったらこんなことで悩まずに賛助会員になるんだけど。
悩みつつ最後の年間パスポート作成。今年はこれでお世話になります。

京博は12月に若冲を見に行ったばかりだけど、その時はしまってた3階がオープンしていた。
陶器室は前はあの部屋だけで力を使い果たすくらいたっぷりつまってたのが、かなりすっきりした展示点数になっていた。
考古室では、印仏瓦経を初めて見た。仏像をスタンプしてその中に経文字が1字ずつ書かれているの。
「ふたつの遊行上人縁起絵」では、一遍聖絵とは異なる系統の宗俊本を、金蓮寺本と真光寺本で同じ場面を並べて比較して見ることができた。

中世絵画室は瀟湘八景図。相阿弥と狩野元信だと、元信の方が景色というか遠近がはっきりしていてたぶんいい景色なんだけど、なんかぼんやりした相阿弥の方が好きだなあ。
近世絵画室は富士山特集で、山雪の富士三保松原図の雄大なまさに富士山って感じの絵に、蕭白の異様な感じの絵に、応挙に原在中と豪華だった。
なんか原在中の細密な描写は参詣図のようで、応挙のもやっとした影で捉えた富士の方はリアルな富士山に感じられるのが、線のリアルさと見た時の印象が異なるというか…うまくいえないけど、そんなところが面白いと思った。

1階に降りると愛宕念仏寺の素晴らしい仁王像にご挨拶して、今回の主目的、修理された鳥取三佛寺の蔵王権現を見た。
一木造りで足を大きく上げていない、まだ蔵王権現のあのポーズが定型化する以前の姿ということで、正本尊よりも脇本尊の方が古いものらしい。
顔、衣、膝の木目がよく見えて、部位によって違う木目の幅と濃さがこれ以上ないってくらい合っていると思った。いつかは現地に行きたい三佛寺。
あとは泉涌寺特集をやっていて、三宝荒神像、楊貴妃観音、快慶の宝冠阿弥陀、護法神、逆手の阿弥陀などなどがいらしてて、素晴らしい仏像だらけでたまげた。

四条まで歩いて阪急で帰宅。