シネリーブルで

映画

今年はあまり映画をチェックできなくて優待券を無駄にしてしまったので、今月はなんかしら見ようと思ってシネリーブルに行ってきました。2回。
見たのは『さよなら、人類』と『彼は秘密の女ともだち』。

ロイ・アンダーソン監督の『さよなら、人類』は見たことがないスウェーデンの映画で、ヴェネツィアの映画祭で金獅子賞というあおり文句に誘われて行ってきました。
怒りっぽい男と泣き虫男のお笑いグッズセールスマンコンビが狂言回しのような、特に狂言回してないような、日常の1シーンがえんえんと並べられた……登場人物は共通してるようなしてないような、時間も現在だったり過去だったり、現在に過去が勝手に侵入してきたり、かなりフリーダムな映画。
あまりにシュールで、これ普通に見てるけどスウェーデンじゃ鉄板の爆笑ジョークなんだろうかと迷い始めたり、いろんな人が電話で「元気そうで何よりです」って言うシーンがあるんだけど、あまりに脈絡がないからこの字幕合ってるのかな〜と不審になってきたり。
あーでも後から考えてみると、同じ「元気そうで何よりです」って当り障りのない台詞でも、いろんな場面で使われるよな〜発される状況や感情が違うのかも。
同じ曲が違う歌詞で歌われるように、同じ場所に集う人が時代によって違うように、シーンに共通点を見出すのか、差異を見出すのか。
全体的にそこはかとなくおかしくて、そこはかとなく憂鬱になる映画で、見終わった時はぽかんとしてどんよりとなった。

フランソワ・オゾン監督の『彼は秘密の女ともだち』。
亡くなった親友の旦那の女装趣味を知ってしまった主人公。明言はされてないけど、主人公はその親友を愛していたっぽい。性癖がややこしすぎる。
すごく楽しんで見たけど、見る人の価値観を揺さぶって、LGBTへの態度を含めた恋愛観が浮き彫りになる映画だなーと思った。
私はフィクションの恋愛はわりとなんでもありで鑑賞できると思ってたけど、それでもアレに対しては複雑な気分になることが分かって、意外な発見だった。
この監督のセックスシーンは鉄板だけど、シャワーでのあれがほんとエロかった。