「国宝十二天像と密教法会の世界」展など

美術館・博物館

伝道院を見に行った日、メインの目的は京都国立博物館の特別展、「国宝十二天像と密教法会の世界」でした。
今年の博物館始めでもあります。
伝道院から京都駅前を経由して、三十三間堂方面へ歩いていくと、この日はちょうど通し矢の日で、袴をはいて長弓を持った老若男女をちらほら見かけました。振袖も華やかだし、袴のお爺ちゃんがさっさと歩いて行く姿も素敵だし、着物スキーとしては嬉しい道行でした。

さて、特別展。
お正月に行われる「後七日御修法」と、「灌頂」の荘厳に使われる図像、法具、屏風絵などの展示です。
空海の時代から今に至るまで時代の流れにより途切れつつも伝わって続けられている儀式。
中には真っ黒に燻されたようなものもあって、これだけ変色するほどの間、実際に使われてきたのだという事実を目の当たりにできます。

金剛界と胎蔵界の曼荼羅が掛けられ、五大尊像と十二天像が掛けられ、法具が並べられ、差図が展示され……見ていくうちにそんな法会の荘厳が頭の中でありありと想像できるような展示になっていました。

五大尊像と十二天像っていうのも今回初めて聞いたので、とりあえずメモ。
五大尊像……不動明王、軍荼利明王、降三世明王、金剛夜叉明王、大威徳明王
十二天……火天、地天、風天、水天、日天、月天、閻魔天、羅刹天、帝釈天、伊舎那天、多聞天、梵天

色々なお寺に伝わる十二天像を見ていくと、それぞれの天像の持ち物、衣服の描写などから、細かい所や顔とかが違ってても、あ、これが◯◯天だなというのが分かってきて、これが儀軌かー、と腑に落ちました。地水火風と自然の描写が見事に定型化しているのが素敵でした。
三重、大宝院旧蔵(奈良国立博物館蔵)の十二天像が、古色といい衣服の表現といい品のあるとこといい好きです。
かなり見応えがありました。

博物館の後で三十三間堂へ。
楊枝のお加持もあり、かなりの人出でしたが、しっかり水を浴びてきました。さすがに仏像はあまりじっくり見られなかった……けど、奥側を戻っていく途中に神変大菩薩像発見。由来書きなどは特になし。

それから京阪で四条に行って、八坂神社にお参り。去年のお守りをお返しして、新しいお守りを頂いてきました。

そのまま三条まで歩いて、京都文化博物館で「八瀬童子-天皇と里人-」展へ。
2010年に重要文化財指定を受けた八瀬童子関係資料の展示でした。
文書そのままぽんと置かれている展示が多めだったので、ちょっと行く前に想像してたのと違いました。
八瀬の仏像はなんか頬から下にボリュームのある特徴的なお顔で、全体的に品が良い感じ。
お祭りの映像や、壁一面の写真、良かったです。あんな風に神社の写真が撮れたら理想ですねー。

四条から阪急で帰宅。