土偶・コスモス

美術館・博物館

大阪から滋賀の石山駅までJRの新快速で44分。そこから1時間に1本のバスで、片道50分。
MIHO MUSEUMへ行くというのは、相当のことなのですよ。
でも今回ばかりは行かざるをえなかった…秋の特別展鑑賞予定の大トリ、国宝の土偶が4点勢ぞろいの「土偶・コスモス」展。

縄文時代はちょっと興味範囲からずれるので、青森の三内丸山とか小牧野遺跡とか、秋田の大湯環状列石、伊勢堂岱遺跡とか有名どころは物見遊山的に行ったことありますけど、土偶てあまり見たことないんですよね。

なので、有名どころの土偶が一気に見られるこの機会、楽しみにしていました。

こんなの見たこと無い! ってのがいっぱいですよ。みみずく土偶とか初めて見た。
それに凄くドラマチックな展示で、地蔵ヶ岳山頂の写真をバックにした山梨の女夫石遺跡の出土品の展示なんかはもー、やるなあという感じ。

今年国宝に指定されたという山形の縄文の女神も凄かったです、とにかく全体的に凄い、という感想。
遮光器土偶がずらーっと横一面に並んでいて、デザインの変化が分かりやすかったです。
なんというか、こんな異形が日本にあった! って誇らしくなる感じでした。

今回思ったのは、上の写真もそうなんですけど、遮光器土偶って記憶にあるのを思い浮かべるとこういう感じなんですけど、実際に見てみると、縄文の土偶も変な土器も、シンメトリーってないんですよね。左右が同じ形、紋様ってない。そこには意志があるように感じられます。
身体の形とか、意匠化して強調される部分とかルールがあることとか、三本指とか、破壊して祭祀するのにひとつだけ破壊されない完全体の土偶が遺跡に存在することとか、謎がいろいろあっていいなあ。

あと、山梨って意外と縄文の遺跡あるんだなあ。今度旅行で行ったら寄ってみよう。地元の浜松は蜆塚遺跡って縄文の遺跡あるんですけど、土偶って多分出てないんですよね。出てるかもしれないけど知らない。

展示の最後の方には、土偶に影響を受けた芸術家ということで、民藝運動の柳宗悦、濱田庄司、芹沢けい介、あと川端康成が旧蔵していた土偶も展示されていました。こうして見てくると、なんとなく濱田庄司…あー、みたいな納得感も持ってしまうなあ。つうか濱田庄司のあの洗練っていうかスペシャル感はまだどこからくるのかよく分からないけど。
土偶と一緒の川端康成の写真がキュートすぎる。
あと星野之宣の宗像教授の原画も。うおー。

今回はせっかく行ったので、常設展もじっくり見たら、朝9時に石山駅発のバスに乗って行って石山駅に戻ってきたのが15時という……。すごいボリュームでした。
せっかくだから滋賀か京都で立ち寄りなんて気も起こらなかった。図録とお土産買って帰宅。