湯前旅行と「皆川亮二原画展」

美術館・博物館

湯前まんが美術館で「少年サンデー皆川亮二原画展」があるって聞いたのは3/28、そして初日は4/25。
ネットの皆川ファン仲間と「行く?」「行く?」とひそひそ相談して、宿の手配をしたのが4/5。行かないという選択肢はなかった。

湯前へは大阪からだと関空から鹿児島に飛んでレンタカーで行くのが速いらしいのですが、今回は同行する4人が全員住んでる地方が違ってたので、合流の都合で電車で移動しました。別にD-LIVEの稲垣さんリスペクトというわけではないです。
熊本駅集合。

せっかくの熊本なので、少し早めに行って散策しようと思って、家を朝5:40に出て6時台のさくらに乗りました。
さくらの座席、すごくすわり心地良かった。
10時台に熊本到着し、路面電車に乗って熊本城へ。大阪人的にはなんとなく見逃すことができない。

これが熊本城の穴太衆の石垣だー!
この反りたまりませんな…とすっかり石垣ソムリエみたいになってうろうろ。
櫓の中にいたボランティアガイドの方が建物は焼けてしまってー…あー戦争でーって話をしてたら、西南戦争の話だった。思ってたんと違った。

実は復元された本丸御殿ができた時にたまたま九州旅行中でここにも訪れていて、その時に県立美術館で「本丸御殿と御用絵師」展を見た時も、今回お話をうかがった時も思ったけれど、残された資料を大切に細部までこだわって復元されて、それを誇りにされてるなーっていうのを感じました。

桜の馬場城彩苑でなんかゆるキャラが踊ってるのを見ながら昼食がわりに揚げたいきなり団子を食べて、アーケードをぶらぶらして熊本駅へ移動。
熊本駅のホームで無事に女子4人合流しました。

14時の電車で人吉に向かっていたら、反対側からSLが来た。時間さえ合えば乗りたかったなーーー。
人吉駅で30分ほど時間があったのでコンビニ?まで歩いて各自夕食を調達して、くま川鉄道で終点の湯前へ。
なんかこの、本当の終点というか、ここから先は線路はないってとこに来るとすごくテンションが上がる。

この日は駅前からタクシーで湯山というところの民宿に行って泊まりました。
移動中に道路標識で「椎葉」って書いてあるのを見て、それってあの秘境とか言われたりする椎葉村?と思うと、ずいぶん遠くに来た気がしました。

民宿の14畳の和室で、宿の手作りだというほうじ茶プリンで乾杯(? みんな下戸だった)。なめらかですごく美味しかったこれ。
お弁当と各地の銘菓を広げて、和気藹々と過ごして、順番にお風呂に入って、気がついたら金ローの途中くらいであっさり寝落ちしていました。振り向いたらもう寝てたと後で言われた。せっかく色々お喋りできる機会に不甲斐ない。

そして朝6時には興奮してたせいかみんな目覚めていました。
民宿の朝食は品数が多くて、山菜の煮たのとあとかぼちゃが入ったお味噌汁がすごく美味しかったです。
いい生卵が出てきたのでTKGした。
朝の準備を済ませてタクシーでまんが美術館へ移動。9時半からオープニングセレモニーのところ、8時40分くらいに着いてた。興奮しすぎて先走りすぎている我々。
美術館の職員の方々が準備をされている中、荷物を預かっていただけたので、駅周辺を散歩して時間をつぶしました。

こんなポスターを見ては、本当に原画展やるんだ…!と感動したり。

9時半からのオープニングセレモニーではまず町長さんのお言葉があって、皆川先生の挨拶があって、町長さんとゆるキャラのゆっくんと3人で除幕。

挨拶のお言葉も写真もそういったもろもろもすっかり抜け落ちてるのは、そこからサイン会開始までの約20分くらい、皆川先生の解説?を聞きながら展示室をまわるという一大イベントがあって、それで全ての記憶が上書きされたからです。
こんな機会二度とないと思って、空気を読まずに接近して足元でお話聞いてきた。
印象的だったお話はいろいろあったんですけど、皆川先生が原稿をまじまじ見て、
「でも、頑張って描いてますね」
って言ったとき、なんかこう、長い年月漫画家として続けてこられたしみじみとした実感みたいなのを勝手に感じて、ぐわっときて感極まりそうになった。
でも、他の原稿の前で、
「ん、これは普通に描いてますね」
って言ってたので、なんか…すごく…なごみました。

10時からはサイン会が始まって、私は残念ながら抽選で落ちてたんですが、当選した皆さんのできあがったサインを見せてもらう機会に恵まれて、描きたてのサインをたっぷり見せて頂きました。
御神苗とジャンとか、斑鳩悟とか、ジャバウォックが多かった印象。キース・ブルーを見た時のみんなの反応凄かった。
初日のオープニングイベントに集ったファン同士のなごやかさで、初対面の方ともいろいろお話できてほんと行ってよかったです。

展示の方は、2室を使って大きい方の部屋でARMSとD-LIVEの、小さい方の部屋で主にスプリガンとコミックス未収録の転送者の展示。
点数が多くて、ぎゅっと詰まっている感じでした。
ARMSの原稿は比較的終盤のものが多かった気がしますが、この”くれてやる”3連で鳥肌立たんかった奴はおらんやろ!?のあれとか、ケースの隅にブルーウィッシュが飾られたこだわりとか、これから行かれる方はARMS再読して気持ちを高めて行くといい…。

D-LIVEは、3回で話をまとめると決まっていたということで、その決まったページでまとめるのに苦労されたそうですが、その中であえて!の見開きの迫力とか。
雑誌掲載時とコミックスで描き直されてるとこがあるそうで、ARMSの終盤からずっとサンデー読んでますが、さすがに今コミックスで読んで気がつくほど雑誌版の記憶はないから、いちいち確認してみたい。
8耐とマン島のレース回は1巻分くらいやりたかったってお話で、レースもの描きたいとおっしゃってました。
あと個人的な年賀状に使われたカラー絵も! このバイクの質感とキャラのバランスが凄くいいのですよねー!!
スプリガン部屋には原稿の他に、コマ割りとネームとか書いてあるノートなんかも。違うページにゲームの攻略法がとかそんな話も…。
スプリガンが終わった後、胃潰瘍になったというお話もうかがいました。

12時になって、4人で駅の近くにある徳丸レストランというお店で昼食。
2人はチャンポン(小)を、1人はいちごパフェを頼んで「女子か!」「この中に女子が紛れてるぞ!」とか言ってたんですが、運ばれてきたチャンポン(小)が小とは到底思えないボリュームで、少食の子は食べても食べても変化がない様に、「このチャンポン、時間が止まった素材でできている…!」とかそんな話をぐだぐだと。
私は親子丼を頼みましたが、いまだかつてない量の鶏肉が入ってました。お漬物が、味の違う沢庵2枚と、あと鷹の爪と柚子の味がするので美味しかったー。
皆川先生もこちらのチャンポンとおにぎりを昼食に取られて、完食されたそうです。すごい。

1時に美術館に戻って、サイン会を終えられた皆川先生がお帰りになるのを見送るまで居座って、展示を見たり作品についておしゃべりしたり…夢みたいに楽しい時間でした。

メモ魔なので、展示の感想とかすごいたくさんメモしてるんですが、書き始めたらきりがないな…。
規模はそれほど大きくない美術館ですが、今回の展示の量はんぱないです。それに他ではたぶん絶対見られないものがたっくさんあるので、ファンの方はほんと行かれた方がいい。描き直されたためコミックスとは違う雑誌掲載の原画とか、カラー絵の下絵とか、下書きとか!
3作それぞれの主人公のB1サイズのパネルがあって、そこに皆川先生の手描きのイラストとサインが!(これがまた凄く凄くカッコイイ)とか(特別展終了後、応募者抽選でプレゼントされるそうです)、ウェルカム色紙の3人の主人公とかとか。
職員の方々にも荷物のこと含めほんと温かく親切に対応していただいて、ありがたかったです。何度もお礼を申し上げたけど足りないー。

電車の時間に合わせて15時過ぎに美術館を出ましたが、「帰りたくないー(現実に)」「湯前に住みたいー」と口々に言ってました。

余談ですが、藤田和日郎先生の直筆イラストがあり、撮影OKですよと言っていただいたので撮らせてもらいました。歴代主人公だー。

湯前の駅の隣のお店でおみやげにおっぱいマシュマロ買いました。おっぱい神社行きたかった。包装紙もかわいいのです。
寺社スキーとしては球磨とかこのへんの寺社もすごく気になるけど、レンタカーでないとだめだな~。
熊本県立美術館で「ほとけの里と相良の名宝─人吉球磨の歴史と美─」展を今年の10~11月にやるらしいのがすごく気になる。

おみやげは電車で人吉に戻ったとこでお醤油を、あと熊本駅で新幹線に乗る前に地ビールとからし蓮根買いました。

帰りの電車はおしゃべりしてたのもあるけど、行きよりだいぶ早く感じました。湯前を15時半に出て、大阪の家に帰り着いたのは23時でした。
何が展示されてたとか細かいことは帰りの新幹線で協力してメモ作ったので、他の方が書いてくれるはず…。
1泊2日、ほんとに楽しくて夢みたいでした。