可睡斎

可睡斎 お出かけ

2月は確定申告以外何もしてないうちに過ぎてしまった。
1週間ほど実家の青色申告、病院の付き添いや諸々の雑用を済ませるために帰省していたのだが、1日予定が空いたので、親の気晴らしにもなればと思いドライブに出かけた。

静岡県袋井市に可睡斎というお寺がある。浜松の実家からは車で3、40分といったところで割合近い。
お寺としては珍しい「可睡斎」という名前は、11代目住職の仙麟等膳が戦の時に幼い頃の徳川家康とその父をかくまい、のちに浜松城主になった家康が住職を城に招いたところ、住職がうたた寝を始め、それを見た家康が「和尚眠るべし」と言ったというのに由来するらしい。

遠州の古い社寺は割といろんな所に家康をかくまった言い伝えがある。だいたい武田から逃げてる。

階段の下までくると、真っ先に見事な石垣とその上の瑞龍閣が目に入ってくる。
こちらで1月から3月までひな祭りの展示をしているそうで、それを口実に両親を誘ったので早速受付から中に入っていった。部屋だけでなく廊下にも多くのおひな様が飾られている。
しかしどっちかというと庭や建物の方に目がいってしまった。
伊東忠太の弟子金子清吉の設計で、国登録有形文化財に指定されている。

瑞龍閣の廊下から外の眺め
瑞龍閣広間の天井

大広間に飾られた32段のお雛様

可睡斎ひな祭り

これだけひな飾りが集まると圧巻ではある。過剰やなあという気もする。
他にも部屋ごとにつるし雛やら折り鶴やら室内ぼたん園やらあれこれ展示されていて、親もそれなりに楽しんでいたようだった。

そういえば襖絵を見てなんとなく気になる、と思っていた

襖絵の牡丹
帯結びの展示と襖絵

あとで調べたら描いたのは山口玲熈で、菊池芳文の弟子だったらしい。
この牡丹の感じ、なんとなくそれっぽい気がしたんだ。

牡丹

牡丹にはまだ相当早い時期だと思っていたが、室内に置かれた鉢はちょうどほころびはじめ、いい感じだった。

境内を歩き回っていると、天狗を見つけた。

秋葉総本殿

秋葉総本殿とある。その前左右に仁王像か狛犬の代わりみたいに天狗の像が立っていた。
秋葉山が神仏分離で秋葉神社とお寺に分かれたあと、寺の方は廃寺となり、三尺坊大権現がここに遷座されたそう。地元の歴史なのに初めて知った。
修験道に興味を持ったとか言いつつ、地元の秋葉山のこともあまり知らなかったなあ。

ところで、今回可睡斎に出かけたのには下心があった。親にはお店やなにかを見ていてもらい、その隙に境内の案内図を探すが、それっぽいものやこっちですという表示がない。
結局スマホで境内地図を見て、池のまわりをぐるっと歩き、ちょっとめげそうになる傾斜の急な坂を上がっていくと、それはあった。

伊東忠太の護国塔

伊東忠太設計の護国塔。世界旅行から帰ってきた伊東忠太が最初に手がけた仕事。

護国塔の狛犬
護国塔の狛犬

狛犬?といい、蓮の蕾のような飾りといい、ガンダーラやらエンタシスやらなんやかんやの折衷様といい、謎の馬といい、もう

護国塔入り口

どこからどこまでも伊東忠太という感じで、堪能した。

ちなみに山門も伊東忠太に設計を依頼して、後になって設計図をもとに建てられたものだと書かれていた。

可睡斎山門
山門の屋根

ちょっとそれっぽいが、忠太にしては丸っこいかなという感じもする。

満喫して出発。
お昼は袋井市内にある仙の坊というとろろ汁と蕎麦が名物のお店へ。

仙の坊唐揚げ定食
仙の坊とろろがけご飯

たっぷりとろろご飯、それからこの唐揚げが今までにない食感でとても美味しかった。
私の唐揚げ歴でもベスト3に入る。

磐田で地場野菜を買い込んで帰宅。