ミラクルエッシャー展

ミラクルエッシャー展 美術館・博物館

今年の美術館はじめは、あべのハルカスの美術館のミラクルエッシャー展に会期終了間際に行ってきました。
エッシャー展は2005年の心斎橋大丸以来です。
うちの玄関にはそのときに記念に相方が買って2人で仕上げた「上昇と下降」のパズルがずっと飾られているので、毎日あまり意識せずに目にしています。

玄関に置いているエッシャーのパズルや絵葉書など

そういえば玄関に木彫りの熊とかよくわからない置物とかがごちゃごちゃあるっていう描写がされてるのを見ることがありますけど、あれってその家の家族の歴史なんだなーと改めて思いました。
うちもあまり意識してなかったけれど、デートで行ったエッシャー展のパズル、新婚旅行で行ったスペインでの絵皿と船の置物とか。あと昨年のジョジョ展の絵葉書が増えてた。
あまりオブジェなんかは買わないけれど、考えてみると今あるものにはけっこう愛着があるな。

今回のミラクルエッシャー展は生誕120年記念、イスラエル博物館の所蔵品の展覧会だそう。
2005年のときはハウステンボス美術館の所蔵品の展覧会でけっこう点数もあって見ているので、行くかどうか迷いましたが、それから14年経って新しい発見があるかなとか、自分の見る目の方は変わってるのかなとかそういう興味もあったので行くことにしました。

著名な錯視の作品に至るまでの時代を要素で分けていて、科学、聖書、風景、人物、広告、技法、反射と、それらの要素を獲得していったエッシャーの人生が浮かび上がってくる構成。
技法ではエッチング、リトグラフ、リノカット、木版、チョークと様々なものが集められていて、版木も見ることができました。
特にイタリアの風景画が多く見られたのが良かったです。
イタリア旅行とスペインに行ってアルハンブラ宮殿を見て影響を受けたということ、山岳の丘の上にある街、サンジミニャーノやローマ、あの風景にイメージの源があるのが理解できました。

見ていくなかでこれ好きだなあと思った絵は、「四面体の小惑星」。
四方に建物が伸びていて、全体としては四面体になっている収まりのよさと、細部をみるとそれぞれが対称になっているわけではなくてこまごまと差異がある、箱庭感が好き。
それから「地下聖堂での行列」「水没した聖堂」。球面に写った自画像を平面に再現すること。

錯視の部屋はさすがに熱心に見る人が多く、混雑していました。
親が子にここがこうでこうなってと説明しているのを何度か見かけたが、ゆっくり見せて発見させてあげたらと少し思いました。見て、なにか変だな?と自分で気づくきっかけを。
しかし、階段から両手をあげた男が降りていく「循環」の前で、どのお父さんも男を指さして「わー」と男の声の代弁をしていたのが面白すぎて笑いそうになってしまった。