2023年ゴールデンウィークの初日は大阪歴史博物館へ……行く前に、お休みにふさわしい特別なモーニングを食べようと、谷四のgoutへ。
3種のパンにサラダ、ラタトゥイユ、コーヒー。
前に谷四で短期の仕事をやっていたときに、ここのモーニングを休日出勤の朝のお楽しみにしていました。
その頃に比べると、近くにホテルがあるからか、観光客ぽいお客さんがかなり増えていたかも。
翌日の朝用のパンも買って、大阪歴史博物館まで歩いていきました。
異界彷徨展。
自分たちがいる世界とは異なるところを「異界」として、それを副題の通りに怪異、祈り、生と死に大きくわけて、多様な資料が並べられていた。
もう民俗から考古から歴史から絵画から読本から、とにかくなんでもある。
虚実の境があいまいで、発掘された出土品なんかはリアルだけど、それと想像上のものが一緒にある感じ。
たまたま福岡で「驚異と怪異」展を見たばかりだったので、それと比べるのもなんだけど、あまりいかがわしいものはないな、というのが第一印象だった。
こわいもの、畏れはあまりない。
見世物っぽさがなく、全体としては誠実で丁寧な展示だと思った。しれっと最近の梅田墓の出土品があったり、大阪に由来するものがメインできちんと構成されている感じ。
歴博が取り扱うジャンルの幅広さがわかりました。
大きな屏風があったからか、意外と絵画が多いなという印象ももった。
橋本関雪の邯鄲の夢があったり、等伯の子の長谷川宗也の柳橋水車図があったり。
たまたま中之島香雪美術館で長谷川等伯の柳橋水車図を見たばかりだったので言えるけれど、構図は一緒でも線の感じや柳の幹の色なんかが全然違っていたなあ。
最近の大阪画壇の紹介などで知った名前もいくつか見ることができた。木村蒹葭堂とか。
あと大念佛寺さんから片袖縁起絵巻と九相図が来ていたなあ。幽霊画は来てなかった。
撮影可のものをいくつか撮らせてもらったので、気になったものを紹介します。
看板にも使われていた天狗三尊…………天狗？三尊？
この河童の絵の描き方が好きでした。顔とか描き込みがそれほどこまかくなくてシルエットなのが雰囲気あってよかった。
こちらは、改心した鬼。
加藤清正の手形があって、もちろん加藤清正本人のものじゃないんだけど、力士などの手形を玄関などに貼って魔除けにしたとか。
ここで魔除けに使われる名前、この強いチカラを持つのは人なのかなー神なのかなー神仏の力を借りた体なのかなー……というのは、私はヒトが神として祀られるようになることに興味があるので、人が超常の力を持つ、人の域を逸脱してくるここらへんは、ちょうどなんか興味に引っかかってくる感じ。
こちらは伊達政宗の起請文。
まとめてになるけれど、民俗的な立体物はちょっとかわいいというかおもろいというか、おもろかわいいというか……そんな感じのものが印象に残りました。
カニの甲羅に顔を描いたというのが面白かった。
あとこちらは神功皇后の絵巻なんだけど、出産シーンに登場する女性たちがみんな墨以外の着色をされておらず、白いという。
産室を清浄にたもつために白一色で描いた絵を置くという話を聞いたことがあるけれど、絵巻でこういう表現をされることもあるんだなと。
地獄絵は菅楯彦でした。閻魔大王や鬼、亡者それぞれの顔つきがいいね。
SNSなんかで異界彷徨展に行った人が撮った写真を見ると、かなりいろいろな写真があがっていて、いろんなものが置かれているからこそ見た人が何に引っかかるか、見た人の興味が浮き彫りになっているのが面白かったです。
私はそうしてみると民間信仰がいちばん興味があるのかなあ。
それは中二病の尻尾が残っているのもあるんですが、大阪ではこういうときにどこそこにお参りに行ったとか、どういう風習があったとか知識として得ていると、いろいろな作品、物語を理解するのに役立ったりするんですよね。
今回もお墓に市が立つとか大阪に住んでいても知らなかったことが展示にありました。
大阪の願掛けマップがあったので、少しずつ周ってみようと思います。
ちょっと見足りないので、後期にもう1回行くかもしれません。
あとは他の階に根付特集があって、その中に柴田是真の「古墨」があったんだけど、iphoneのカメラの限界を知った。
まさに古い墨を模した根付で絵が彫られていたんだけど、まあ写真は無理でした。
博物館を出て、地下鉄で移動。
GW突入記念ランチが食べたいといってアッチェントさんへ。
春キャベツとアンチョビのピザ、めっちゃおいしかったです。
