MONKEY vol.14

読書

『MONKEY vol.14 絵が大事特集』を読んだ。

メインとして、ウィリアム・ブレイクの SONGS OF INNOCENCE AND OF EXPERIENCE が版画+英文+翻訳で載っている。詩と絵が不可分である作品。詩をというよりは、美術館で1枚1枚絵を鑑賞するように読んだ。

ウィリアム・ブレイクって、アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』で引用されているアレでしか知らなかったけど、その元のThe Tyger.の虎ってこんな顔してたんだね。か、かわいかった…。ベスターのあの強烈な主人公の印象が強かったから、ちょっとびっくりした。

「無垢」の方は、春~ふわふわ羊~バラ色ほっぺのこどもたち~って春の野原で口ずさみたいような感じだったけど、「経験」の方は隠喩が増えたのか、なかなか謎だった。
ざっと読んだ中では「蝿」が好き。あとライオンの姿が印象に残った。

あとはジョン・クラッセン絵、小川洋子文の「訪問者」も。大人向けの絵本のような、謎があるというか想像する余地のある短文で、立ち止まって絵を頼りに文章を読み解くような、それとも文章を頼りに絵の世界に入っていくような感じだった。

挿画の歴史的な話も面白かったな。
そういえばいつだったかの号に載ってた漫画も面白かったので(単行本は手が届かない値段で買えなかった)、漫画特集もなんかの形でやってほしい。

あとはアダム・サックスの父と子テーマの超短編がシュールでめちゃくちゃ面白かった。
父と子、似た者のような、対立してるような、愛情がなくもないような、取りようによって多様な立ち位置のテーマが取れる関係。
「ハーフェル川の記念碑」のだんだん増えてく像に爆笑した。好き。この短編集1冊まるっと翻訳が出たら絶対買う。