1、2月に読んだ本

読書

体感では一瞬で2月が終わってしまった。
本はほんとに読んでなかった。1、2月で読んだ本は3冊だった。
大晦日から年始にかけてはいつも特別な読書時間で、毎年選びに選んだ1冊を読むんだけど、今回はちょっと気分が乗らなくて途中で放り出してしまった。

なんとか読んだ3冊。

『御子柴くんと遠距離バディ』
12月に若竹七海の新刊が出てたので、いそいそと買っておいたのを読んだ。
長野から警視庁に出向した御子柴くんの2冊めの短編集だけど、1つめの話からある意味意外な展開で、シリーズものという先入観はいきなり粉々に打ち砕かれる。

捜査が行く先々で妙にうまくはまって進むので、多少ご都合主義的かなあと感じる部分もなくもないけれど、1つの短編にぎっしり事件と多彩な展開が詰まってるので、流れに身をまかせてしまったら満足度は高かった。
ミステリ系の感想っぽいもの書くの久しぶりすぎて、どこまでがネタバレになるのかよくわからなくなってるな。

『幻坂』有栖川有栖
前知識なしに読んだので、ミステリじゃないっぽいけど大阪が舞台の現代版人情話みたいなもんかな?と思ってたら、違った。ホラーだった。意外。

大阪の上町台地は有栖川さんの作品かエッセイかなんかで今までも何度か出てきたと思ったけど、そこにある七つの坂それぞれが舞台になっている。
こんなしっとりとしたお話書くんだなあと新鮮だったし、実際にその七坂は歩いたことがあるので、風景を思い出してそうそう、という感じもあった。
あと日想観がテーマになっているものがあって、昔の四天王寺の浄土信仰の情景描写がとても良かった。

『たべるのがおそいvol.4』
12月に半分くらい読んで、家の中でロストしていたのをやっと見つけて読み切った。
宮内悠介の芥川賞候補作とか、話題性のある作品がじわじわ載ってる感じ。そういうきっかけでこういうムックが売れるとよいなあと思う。しかしこれは芥川賞っていうより直木賞だよなー。
半分は12月に読んでるのでちょっと印象が薄れてしまった。
古典の翻案みたいな町田康が面白かった。従二位がジュニーか、ってふふってなる。
西崎憲はしかし、翻訳より小説の方が好きだなあ。
短歌は染野太朗がよかった。
最近読む短歌って、けっこうなんのことを歌ってるんだろう?って一拍おいて考えてしまうのが多くて、もっとぱっと情景が浮かんで、じわじわとその情景の中にまた発見があるような奥行きの感じられる歌が好きだと思った。