3、4月に読んだ本

読書

3月、4月に読んだ本は6冊でした。

『MONKEY vol.14』
『丘』 ジャン・ジオノ
『翻訳夜話』 村上春樹、柴田元幸
『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロル
『鏡の国のアリス』 ルイス・キャロル
『バッタを倒しにアフリカへ』 前野ウルド浩太郎

『MONKEY』は感想を書いたので、それ以外をちょっとだけ。

『丘』
ヘンリー・ミラーの『わが読書』に載ってたジオノ讃を読んで気になっていた。
フランスの丘っていうかわりと山の上の小さな集落での生活。
その生活はほとんどが自給自足みたいなもので、けれど厳しさや貧しさが強調されるわけではなく、泉と畑があって、1日働いたら夕暮れはテラスに集まってきて自家製の酒を飲んでまったりおしゃべりするような生活。

それが、寿命が近い老人が倒れた時から自然が別の顔を見せ始める。
いわゆる自然が牙をむいてくるというやつ。幻視。
読んでる最中はなかなか文章に慣れなくて、ひっかかりながら読んでたけど、読み終わってどんな物語だったのか、作中で何が起きてたのかを思い返して再構築すると、けっこういい読書体験だった気がする。

むしろ小説よりも詩っぽいのかな、翻訳だと分かりにくいやつかも。

『翻訳夜話』
村上春樹と柴田元幸の翻訳に関する対談は雑誌『MONKEY』に載ったのを何度か読んでたけど、この本は聴衆がそれを学んでる学生などなので、雑誌よりもさらに具体的というか、実践的なやり取りに感じた。
ていうか学生のする質問が知的でレベル高くて驚く。
翻訳だけでなく文章の書き方についても学ぶことが多かったので、ゆっくり消化したい。
もう1冊買ってあるので読むのが楽しみ。

『バッタを倒しにアフリカへ』
なんか面白そうだったので買って読んでみた。
フィールドワークする学者の話がおしなべて好き。
モーリタニアの生活や、サハラ砂漠でのフィールドワークの話、それから著者が雇ったドライバーの話が面白かった。
著者も言ってるけどブログみたいな文体でだいぶ読みやすかったけど、研究が結局どうなったのかがはっきり書かれてないので物足りないという気持ちもあった。
何はともあれこの本が売れて著者の研究の足しになっていたらいいと思う。それで次に本格的に著者の研究が紹介される本が出ればさらに良い。

あと、『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を読みました。ずっとむかし子ども向けの本で読んで以来。
訳はどれにしようか迷った末に、ちくま文庫の柳瀬尚紀訳で。
ちっさな頃はトランプの女王が怖かった記憶しかなかったけど、今回読んだらそういう感じはなかったなあ。女王が出てくる場面もどこかコミカルで、視点がより客観的な感じ。
翻訳の違いなのか自分が大人になったせいなのかは分からないから、また時間があったら今度は角川文庫で読んでみようと思う。