和様の書展

東京国立博物館で「和様の書」展を見てきた。
ちょうど家族旅行のために実家に帰ったので、青春18切符で浜松ー東京と往復。

茶の湯で床の間に飾る書って、お坊さんの書いた禅みたいなのばかりという認識でいたけど、武野紹鴎が定家を飾ったことから定家や古跡を飾る流行があったらしいというのが1つ新しい知識。

三跡の小野道風の楷書は1文字ごとにゆったりしてて広がりとやわらかさがあって見ていて気持ちいい。
「諱号智証大師」と、円珍が諱を下賜された時の勅書が小野道風の書いた書で、頭の中に知識としてあった名前と名前が結びついてうおおと興奮した。
三跡のもう1人、藤原佐理はけっこういいかげんな人だったそうで、詫び状とかの書状が字が美しいから大切に保存されてしまったってなんという……。

あとは継色紙「よしのかは」の色と空間、高野切が美しいこと、古今和歌集はあの歌と紙と書が合わさって最強ということ、三十六人歌集が絢爛豪華だったこと、国宝の手鑑は凄い見応えがあったこと。

三筆は本阿弥光悦の「四季草花下絵和歌巻」がとても良かった。
洗練された空間をもった総合芸術の本阿弥光悦、勢いのある近衛信尹、流麗な松花堂昭乗って感じで個性ある。

あとは烏丸光広の東行記が好き。

最初は書なんて分かるかなーと思っていたけど、行ってみたらかなりの見応えでした。

その後、平成館の考古室を堪能して、和歌山県橋本市の人物画の銅鏡とか、熊本の江田船山古墳の銘文が入ってる鉄刀とか。
それから法隆寺ミュージアムで、仏像三昧。
N179あたりが好きだ。あとN168あたりはすごく変わった顔してて異様に感じる。

本館ではまず仏像を。
東大寺食堂の大黒天や浄瑠璃寺の広目天など。
特集展示で仮面が見られたのも嬉しい。和歌山の天野社や熱田神宮など。行道面っていうのか、見たことないような嘴の長いのとかあって異様だったなー。

これだけ堪能したら他に遊びに行く元気はさすがになく、食事だけ軽く取ってまっすぐ帰りました。
朝6時前に家を出て、帰り着いたのは22時。さすがに疲れたけど、欲張らずに1箇所だけならなんとか行けないこともないなーと思いました。こんな無茶できるのは18切符の時期に限るけど、また何かこれは見逃せないって時があったら検討はしよう。