春日大社特別公開と「平安古経展」

今年は春日大社が20年に1度の式年造替で、本殿の特別公開をしていると聞いて行ってきました。
中元万燈籠のとき、回廊の特別参拝は入ったことがありますけどあれってどこ歩いてたのかな、暗かったのもあって今回いただいてきた大宮特別参拝マップを見てもよく覚えてない。

御本殿の神様方が、式年造替で仮御殿に遷られてる間のみ、内院への参入が許されるのだそうです。
それから今回は、本殿の後ろ側にあるお社も特別参拝ってことで、リーフレットを読んだら明治維新以来初めての公開なんだそうです。それで、第一殿と第二殿の間にある磐座も公開。
こんな機会めったにないので隅々までお参りしてきました。
お遷りになってると分かってても、内院は緊張。

春日大社の御本殿の建物自体は、式年遷宮で他の神社に払い下げられたものがあちこちにあるので、何回か見たことありますが、階段のサイドのところの文様が黒地に白であまり神社とかで見たことない感じの文様で、こんなんだったっけと思ったり。
磐座は、白い漆喰で塗られていて、磐座って聞いて想像するものとはぜんぜん違っていました。
こんどどっかの博物館で春日大社の古図を見たらよく見てみよう。

微々たるもんですが、檜皮を奉納してきました。
行ってよかった。

帰りに奈良国立博物館で「平安古経展」を見てきました。
お経は1字1字はっきりくっきり、それもけっこう字うまい人が書いてるから、木簡とかと違って奈良時代のものでも全然読みやすい。
それで奈良時代の字を見て、伝小野道風の国宝金光明最勝王経を見ると、和様の書はぜんぜん違うってのが一目瞭然。うつくしい…っていうか小野道風が特別なのかね。

他の博物館でも何度か見た、経塚出土品。
弥勒菩薩はまだ来てないのにこんな人目にさらされちゃって…といつも思ってしまう。
あと平安時代にはもう教典の印刷が始まってたっていうのはけっこう意外な気がしました。でも仏教をどんどん広めるという点では必要かそうか。

それから装飾というか荘厳されたお経。
奈良時代は紫紙に金字でって、あまり見たことなかったです。すごく高貴な雰囲気がある…けど平安時代には紺紙が増えて紫紙は減ったっていうのはどうしてなのかな~。
色のついた紙に金泥や銀泥で書く一方で、紙を装飾する工芸技術の高まりがあって、装飾した美しい紙に墨で書くというのがあって、こう並んでるのを一気に見てくと分かりやすかったです。

中尊寺のお経の文字が宝塔曼荼羅になってるの初めて見た。

こうして奈良~平安とお経を見て学んで、今回メイン(?)の幻の久能寺経。
……キラッキラでした。宇宙かと思った。

今、仏像館は工事中なので、名品展も新館でやっていました。
仏像だけでなく、仏画や考古資料もあってよかった。
子島曼荼羅すごかった。
静岡県の三ヶ日山中から出た瓦塔、焼き物の五重塔って、地元なのに知らなかったー初めて見ました。
あと奈良博って舎利容器専門の学芸員さんおられますよね?舎利厨子がめちゃくちゃ充実してたんですけど。
般若寺のやつ(うろ覚え)がかっこよかったです。

たぶん年間パスポート持ってなかったら今回の特別展は見逃してたと思うんですが、色々見られてよかったです。

今回はJRで行ったので、三条通を歩いて、いつもは近鉄だから去年の夏以来なんですが、お店変わったな~とか思いつつ…奈良に行くときはいつもチェーン店に入ってしまうので開拓したい。
ならまちとか行く度に迷うし。