未来へ伝えよう私たちの歴史@和歌山県立博物館

和歌山県立博物館の企画展「未来へ伝えよう私たちの歴史ー文化財の魅力発見!ー」展を見に行ってきました。

今まで行った時は特別展で常設展がない時だったので、常設展も初めてじっくり見てきましたが、地域の歴史を概観しつつ、著名な歴史上の人物を取り上げるよりも、税金とか争い事の記録などそこに住んでいた人々の暮らしが垣間見える資料が多く、興味深く拝見しました。
先日高野山霊宝館で見た書状(ミミヲキリハナヲソギのやつ)のレプリカもあって、あれはこういうことだったのかーとすごくわかりやすかったです。

企画展は、サプライズの神像が出展されると噂を聞いていて、なんだろうな~と思っていたら、去年秋の「高野山麓祈りのかたち」展で展示された三谷薬師堂の神像(元は丹生酒殿神社に伝わったもの?)は、銅像を作るための型になったことが分かったというとてもめずらしい神像だったのですが、その神像を型にして作られた銅像、丹生戸比売神社に祀られていたのではないかという神像が並んで今回お出ましってことで、そりゃー見に行かずにいられますまい、と。
銅製の神像というのも珍しいそうなのですが、その木製の型も残されているという例は他にないそうです。
並べて見るとそっくりで(当たり前)状態もよくっておおーという感じでした。

あとは円満寺の十一面観音も良かったですが、広利寺の十一面観音も凄く立ち姿のいい、腰と手の感じが良くて、文様も綺麗に見えて惹かれる仏像でした。あと江戸時代のかなり長身の力士に贈られたっていう183.6cmもある大太刀がかっこよかった。

文化財を並べると同時に、経筒とか仏像に納入された物とか屏風絵の下張りにあった古文書とか、こうして残された物から歴史がわかる、そういった物を残すために尽力した人がいるということ、それからこれからのことについて考える……というテーマが通底していて良かったです。 
和歌山県立博物館は行く度に発見があって楽しいです。なので遠くてもつい行ってしまうんだなー。