今年の花見と大津の芭蕉翁

毛馬桜之宮公園の桜 お出かけ

桜の開花がいつになく早かった今年、ちょうど予定のない土曜日があり、翌日の日曜日が雨の予報だったので桜を見に出かけてきた。
密は避けたい、桜は見たい。北新地から大阪城北詰駅へ。
太閤園の中入って庭園見てみたいのう…と玄関を横目に見つつ、川べりへいくと、大川の川沿いに桜並木が続く。
ここは毛馬桜之宮公園という、毛馬洗いぜきから下流の天満橋まで延長4.2kmの公園となっている。

造幣局もこのへんにあって、通り抜けをやっている時期は染井吉野は盛りを過ぎていることが多いから、通り抜けで来る時はこの川べりの桜はあまり見たことがなかった。
その時期にはお祭りみたいに屋台がずらっと並ぶので、桜でなく屋台を見て歩く道だったというか。
通り抜けが過密を避けるために中止になった去年以来、散歩に来ている。

大川沿いの桜並木

天満橋まで歩いて天神橋筋商店街の方に行き、お昼は偶然見つけたACCENTOというお店に入った。

ACCENTOのカルツォーネ

カルツォーネおいしい。
とろーとしたところと、端っこのかりっと硬くなったところの両方があるのが好き。
天神橋筋商店街には好きなパン屋もあるので、だらだら天六まで歩いて買い物して帰宅。

それから別の週に家族を誘って大津に行ってきた。
大津市歴史博物館で「芭蕉翁絵詞伝と義仲寺」展。
義仲寺の芭蕉翁絵詞伝が博物館に寄託されたのを機に、全巻公開されていた。

芭蕉は大津に縁があるそうで、『幻住庵記』の幻住庵や、義仲寺の無名庵で過ごした時期があり、義仲寺にお墓があるそう。
義仲寺は芭蕉の死後一旦荒廃して、芭蕉の百回忌に向けて復興した蝶夢の活躍が展示で見られた。

絵詞伝は一通り見たが、芭蕉の有名な俳句いくつかや奥の細道の冒頭(中学生の頃に暗記させられた)くらいは覚えがあっても実際にどんな事績があったのかは知らないので、もう少し予備知識を入れてきたほうがよかったかな〜と思いつつだった。
博物館の公式アカウントが絵の中で芭蕉はどこにいる? クイズをやっていて、面白く見ていたけれど、知らないとだいぶ難しい。

今回は珍しく撮影可だったので少し撮らせてもらってきた。

奥のほそ道の最後の発句

蛤のふたみにわかれ行秋ぞ

松尾芭蕉蛤の〜発句

最後の発句は次の旅のはじまりでもあった。

義仲寺に伝わる芭蕉の杖

芭蕉の杖もあったが、面白い形ではあるものの、これでちゃんと杖の役割を果たしたんだろうかと不安になってしまう華奢さだった。

義仲寺の若冲の天井画

若冲の天井画まで出陳されていた。

蝶夢の行動の中で、芭蕉の弟子などの書跡が散逸する前に、各地を旅してその家族や親戚の家を訪ね、寄付をしてもらったというのが印象的だった。
こういうことに尽力する人のおかげで信頼性の高い資料が残され、それが今の評価に繋がっているんだなあと。
義仲寺といえば名前にも入っている義仲だけれど、意外とそっち関係の資料は少なかった。
義仲寺が確認できる文献は少ないそうで、その中でも集められた文献が展示されていた。

展示を見終えて、隣にある三井寺に入る。

三井寺

盛りを見るには一週間遅かったかな。

三井寺

それでも残る花を見つつお参りした。
あちこちで落椿が目につき、その風情もよかった。

三井寺の大黒さんは派手だな?

谷口智則のサンタ像

…とよく見たらサンタだった。思いがけず境内で谷口智則展をやっていたので、入ってみた。
『MONKEY』1号の表紙を飾ったことから、なんとなく親しみをもっていて、寝室に絵葉書を数枚飾っている。
絵本などの原画がそこそこの点数あり楽しめた。

歩き回ってそろそろ休みたいなと思ったときに、茶房の看板が目に入ったので休憩とする。

三井寺ながら茶房の入り口

入ったときはたまたまだと思うがほとんど人もおらず、お庭を眺めてゆったりできた。

お茶とお茶菓子

芭蕉の句からひとつ引用する。

行春を 近江の人と 惜しみける

電車を乗り継いで京都に出て、春の和菓子を買って帰宅。この日のおみやげ

谷口智則展で買ったクリアファイルや絵葉書