LIXILギャラリー ものいう仕口

木材 美術館・博物館

LIXILギャラリーの閉廊とLIXIL出版終了のニュースが入ってきた。
ちょっと前から経済関係のニュースでLIXILの名前が出るたびにあまりおもわしくない様子で心配していたので、とうとう来るときが来てしまったなあという感じ。
LIXILギャラリーは建築やデザイン系のちょっと独特な展示を無料で見せてくれて、ありがたく利用させてもらっていた身としては、経営的判断に文句も言いづらい。
なかなか難しいと思うが本業を立て直していつか戻ってきてほしいと願うばかり。

LIXIL出版はとりあえず新刊の発行は今年で終了だけれど、販売は2022年秋まで行うそうなので、買えそうな本は買っておこうと思う。

とりあえずジュンクに行って『ロシア・アヴァンギャルド建築』を買った。
自分の手には余る本かもしれないが、今年『インポッシブル・アーキテクチャー』展を見て高まっていたというのもあるので。

LIXILギャラリーで最後に見たのは、去年の『ものいう仕口』展になった。
日記をつけ忘れていたので、簡単に書いておく。

LIXILギャラリーものいう仕口展

仕口とは、柱と梁など方向の異なる部材をつなぎ合わせる工法とその部材のことだそう。
白山麓の九頭竜川支流沿いにあった、築200年以上の古民家を解体移築するときに不要となった仕口。

木材の展示

会場の入口側からは、シンプルに年月を経た木材の素材感と形状、風合いをただ見る感じ。

木材の展示風景

パネルの裏にまわると、その仕口がどういうふうに組まれて使われていたのかが詳しく説明されている。

柱の展示
木材部品の展示

同じ江戸時代に同じような地域で建てられた家に使われた部材でも、穴の開け方や仕上げが丁寧だったり簡素だったり表面も彩色されていたりそのままだったり色々ある。
それでもこれらの部材が使われた家が、200年もの間風雪に耐えたのだと聞くと、より特別なものだという印象が増した。