「台所見聞録」展

世界の建築家の家の台所パネル写真 美術館・博物館

グランフロントのLIXILギャラリーで「台所見聞録」展を見てきた。
いくつかテーマがあって、大雑把にわけると世界の台所、床で座って調理していた日本の台所の近代化、それから著名な建築家の設計した家の台所の3つ。

世界の台所はミニチュア模型とパネルの展示だった。
世界中の伝統的な家の調査の結果、およそ北緯40度を境にして火の使い方が変わるということがわかったそう。
寒い地域では台所の火を家の暖房として兼用するのに対して、温かい地域では火の熱を台所のみに抑えるという違いがある。
家のつくりが台所の火の使い方と水の取水、排水に大きく関係していて、その土地に適したつくりになるというのが面白かった。

ネパールカトマンズ地方の家のミニチュア

ネパールのカトマンズ地方では台所は最上階(1階は家畜)だというのは、ぱっと見て荷物などを下から運ぶのに不便そうと感じたが、検索したらイエメンのサナア旧市街の家も4階が女性の暮らす空間で台所や寝室らしい。
塔のような高層の家を作る動機はだいたい財産の防衛のためだよなーと思うけれど、ネパールとイエメンというと不思議な共通点だな。

家のミニチュアはパネルの平面図で見るよりわかりやすいしかわいーと思いながら見ていたら、イグルーの裏で本格的なアザラシの解体をしていて、リ、リアル…

イグルーのミニチュア
イグルーのミニチュア

取れた油を照明に使ったりとムダがない。

日本の台所が近代化していく資料は文献が主。
床で調理していたのがテーブルで立ってするようになり、それから台所の中での動線をどう効率化するかということ。

『増補注釈 食道楽』の口絵

『増補注釈 食道楽』の口絵で、上から大隈伯爵家温室内の食卓、大隈重信邸の台所、岩崎弥之助邸の台所だそう。
真ん中の絵では立ってる人と座ってお膳に盛り付けてる人が混在しているみたいで、下はみんな立ってテーブルで調理しているよう。

著名な建築家の家の台所の展示は写真パネルで、コルビュジェ、ライト、前川國男、吉田五十八、聴竹居など。それからミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸とかドイツのフランクフルトキッチンとか。
このへんはもうちょっと建築の知識があればより楽しめたかな。

自分が料理をするせいか台所はけっこう興味があるけれど、今までなかった視点が得られる展覧会で楽しめた。

帰りにグラフロのMUJIに行ったら同じ階にシマノのカフェができていて、カフェラテを頼んだら

シマノカフェの自転車の絵のカフェラテ

思いがけずラテアートが自転車でなごんだ。