三十三間堂からのシュトレン博覧会からの「画題で見る近代の日本画表現」

三十三間堂 お出かけ

三十三間堂の1001体の千手観音像は、昭和48年度から保存修理が開始され、45年かかって平成29年に完了し、今年3月に重要文化財から国宝に新指定されました。
その慶讃法要に合わせて、11月に奈良と京都の国立博物館に寄託されている観音像が一時里帰りしてお堂に1001体が揃い、さらに堂内に1.2mの高さから拝観できる秋雲壇が設置されるということで、その期間内に一度お参りしておこうと出かけました。

三十三間堂に初めて行ったのは中学校の修学旅行の時。
それからこのブログで確認してみると、2013年の1月、楊枝のお加持の時以来。その時はさすがに人でぎゅうぎゅうで流されて仏像を見るどころではなかったので、今回はじっくりと拝見してきました。
京都の修学旅行の定番寺院は、大人になってから改めて行くという機会は少ないですが、行ってみるとやっぱりハンパない。ある程度知識を得たからこそ改めて分かる凄さ。
1001体の千手観音のうち、平安時代の当初像が124体、876体が鎌倉時代の復興期、あと1体が室町時代に作られたものということです。前に見たときは、似たような像がずーっと並んでるその量に圧倒されるばかりでしたが、少しは見仏経験値が貯まったからか、一体一体を見ればそれぞれの像の違いが目に入るようになっていました。
慶派も院派も円派も総動員して作ったんだな~とか、康円の像てやっぱイケメンだな~とか。
湛慶の御本尊はもうありがたみでちょっと涙出そうになった。

それから、今年風神雷神像と二十八部衆の像の配置換えがあったそうで、その変更の根拠を一覧にした紙がそのへんに貼ってあったけれど、ちょっと周囲の人に気兼ねしてじっくりは読めなかった。あれは公式サイトにpdf置いといてほしいな。まあちゃんと読んだからといって、典籍の素養があるわけではないので、そうなんだ~と思うだけなんですけど。

それで、今回設置された壇にももちろん上がりました。
下から見たときは後ろの方はもう頭上の化仏と光背くらいしか見えないんですが、風神雷神像の目の高さから群像を見ると、奥の列までお顔がはっきりと見えて、見渡したときの印象が完全に違います。

複数のお寺に拝観したような満腹感で下駄箱に戻ると、ちょうど観光バスが何台か到着したようで入場に行列になっていたので、わりと空いているいいタイミングで拝観できたな~と思いつつ外に出ました。

お昼は本町亭というお店で洋食。ペアランチは好きなおかずが選べるので相当迷いつつ、ハンバーグとカキフライに。
連休でお弁当の注文がたくさん入っていたようで少し待ちましたが、美味しかったです。ボリュームもだいぶあった。

本町亭ハンバーグとカキフライのランチ

タルタルソースでなくてホワイトソースっぽいのがけっこう好き。

続いて京阪で四条に戻り、ジュンクに入ったりハンズで雑貨を見たりして時間を少しつぶし、予約しておいたハンズのシュトーレン博覧会のワークショップ、シュトレン食べ比べに参加しました。

シュトレン博覧会の食べ比べワークショップ

左上 京都藤森 eight
右上 六本木 ラトリエ・デュ・パン
左中 広島 ブーランジュリ シェ ジョルジュ
左下 京都藤森 coco・kirari
右下 大阪 パン屋のグロワール

エイトのドライフルーツ入りのパン、主催さんが通販で買ったらおいしかったからもってきたというショコラシュトレン、マジパン入りのものなど、パン屋トークをうかがいつつ比較しながらいただきました。
広島のシェ ジョルジュは大阪のル シュクレクールの出身だそう。生地がライ麦パンっぽいあのいい風味がありました。
パン屋のグロワールはおいしいマジパンが入っていていい香りがして、シュトレンって聞いて思い浮かべるそのもの。はじめて買うという人におすすめするとしたらこれかなって味。
coco・kirariのはちょっとかわっていて、日本酒を使ったシュトレン。日本酒にレモンピールを漬け込み、生地に甘酒が練り込んであるそう。
レモンケーキのすごい贅沢おいしいやつ、みたいな味。一緒に行った家族はこれが一番気に入っていました。

同行していた家族とここで別行動。私は一人で京都市学校歴史博物館に行き、企画展の「画題で見る近代の日本画表現」を見ました。
明治後期からの近代の画家の絵を画題で分けて展示したもので、伝統的な流派から自由になり、西洋画の影響を受け、模索しつつそれぞれの個性を発揮していった画家の試行錯誤が見られました。
秋野不矩の「アフガン風景」と奥村厚一の「磯」、山口華揚の南天の絵に特に惹かれた。
あと複数の画家がそれぞれ干支の動物を描いた寄せ描き屏風というかあれ襖? 画家が集まった酒の席の余興で描かれたような寄せ書きをここの企画展でいくつか見たことがあって、力が抜けていてけっこう好き。

現代でオタクが集まったときにスケブに寄せ書きするのも昔から続く文化なんだなーと思ったり思わなかったり。

博物館から出ると、ちょうど買い物を済ませた家族が合流しに来ていたので、川べりにある喫茶上るというカフェで休憩。

喫茶上る

ちょうど窓際の席が空いていて、川の流れを見ながらまったりできました。
私達が入って少しして満席になってしまったので、ここでもタイミングが良かった。

この日は行く先々でちょうどタイミングよく待たずに済み、口にしたものはすべて美味しく、ジュンクに入ったら発売されたことを知らなかった好きな作家の新刊を2冊も見つけるといった具合で、秋の3連休中の京都市内というかなり混雑した場所でも一日快適に過ごせて、こんな日もあるんだなあと不思議に思うくらいのいい日になりました。