2019年に読んだ本

読書

はい反省。
昨年の正月に今年は月に1回は読んだもののまとめを書きたいと言いながら、1・2月で止まってました。自分でもまさか1回しか書かないとは思わなかった。
2019年に読んだ本は21冊でした。
最後まで読み切る体力がなくて、読みかけて途中で止まってる&挫折した本もいくつか。
このままじゃよくないと思い、12月に自分が好きな本を紹介する系の読書会に参加して若い人に囲まれて刺激をいただいてきました。そうしてみるとやっぱ本の話をするのは楽しいので、また読んで楽しく本の話ができる場所におじゃましたいと思います。毎年1月はやる気ある。

さて、特に印象に残った本といえば、『芥川竜之介紀行文集』。これは感想を書いてるからいいとして、昨年末に松田龍平さん主演でドラマになってるのを見逃してしまったので、再放送したら録画しないといけない。
あとは、これだけは継続している『MONKEY』を読むために『見えない都市』、『パタゴニア』を読んだのが印象に残ってます。

『見えない都市』イタロ・カルヴィーノ
なんとなく年に1冊読んでいるイタロ・カルヴィーノ。
マルコ・ポーロがフビライ汗にその広大な領土にある都市のことを語るという体裁。
空想の都市を語るのが、わかるようなわからないような。『レ・コスミコミケ』に繋がるようなものが印象に残ったけど、ちゃんと読み取れてない感が大きい。
小説を読むというよりは、ただ美しい天然の結晶を眺めていたような読書体験だった。

カルヴィーノのよくわからないほら話に続けて読むのにちょうどいいかなーと次に円城塔の短編集『シャッフル航法』を読んだら絶妙にはまった、自分の中では。

『パタゴニア』ブルース・チャトウィン
旅した南米で行った先の町や出会った人のことを端的に言葉で表しているのがとてもよくて、作中で歩いたりヒッチハイクで移動したりするようなゆっくりした旅のペースに合わせてじっくり時間をかけて読んだ。
パタゴニアで出会う、それぞれの事情で世界中から流れ着いたような人々が、世界の果てでも自分の故郷、ルーツを残している様子が特に印象に残った。
高校生の私はこんなふうに旅をする人に恋するだろう。

『建築探偵放浪記』
藤森照信の建築探偵がつく本では最新の本(だと思う)。これと『藤森照信の茶室学』を読んでとても勉強になりました。
工法、人物、宗教、歴史という章立てで、写真も多いし気になる建築いっぱいでどれもこれも見に行きたくなる。
素人が建築を見るときはあまり意識できない工法や素材から建築を見るという視点が読めたのがとても良かった。
それからたぶん自分では見に行くことができないだろう海外の建築もいろいろあって、特にルーマニアの教会が興味深かった。
読んでいて、自分の好きなのはどっちかというとモダニズム建築なのかなーと思い始めてきた。
建物とか見始めた原点はたぶん小学校の遠足で行った明治村だけど、レーモンドの夏の家、アドルフ・ロースのミューラー邸、ミースのチューゲンハット邸とかめちゃいいなあと思うし。

『藤森照信の茶室学』は、特に利休の「待庵」の建築の特異さを先に並べてから利休が実際に茶室を作る手順、思考の流れをじっくり辿るのが歴史ミステリの謎解きを読むような爽快感があり、めちゃくちゃおもしろかった。

以下は2019年に読んだ本の一覧です。

『風が強く吹いている』 三浦しをん
『芥川竜之介紀行文集』 芥川竜之介
『方壺園』 陳舜臣
『見えない都市』 イタロ・カルヴィーノ
『シャッフル航法』 円城塔
『三月は深き紅の淵を』 恩田陸
『藤森照信の茶室学』 藤森照信
『泡坂妻夫引退公演 絡繰篇』 泡坂妻夫
『泡坂妻夫引退公演 手妻篇』 泡坂妻夫
『異形の白昼』 筒井康隆編
『MONKEY vol.17 哲学へ』
『流れよわが涙、と孔明は言った』 三方行成
『ぶたぶたのティータイム』 矢崎存美
『パタゴニア』 ブルース・チャトウィン
『藤森照信の建築探偵放浪記』 藤森照信
『バベットの晩餐会』 イサク・ディーネセン
『MONKEY vol.18 猿の旅行記』
『蜜蜂と遠雷 上下』 恩田陸
『MONKEY vol.19 サリンジャー ニューヨーク』
『イヴリン嬢は七回殺される』 スチュアート・タートン