2020年に読んだ本

読書

2020年に読んだ本は26冊でした。
昨年はだんだん小説を読みたいという気持ちがなくなってきてしまい、後半はほぼエッセイかドキュメンタリしか読んでいませんでした。
ずっと購読している『MONKEY』すら読むのが止まっているので、またおいおい興味を取り戻していきたいところです。

年の前半に読んだ分は前回書いたので、後半に読んで面白かった本について少し。

1~6月に読んだ本
今年は毎月書きたいとか言ってた気がするなあ〜と思いつつ、今年1月〜6月に読んだ本メモです。半年で読んだ本は16冊+図録でした。1月は久しぶりにミステリを何冊か読んでいました。そこで冊数を稼いだ。その後は市の図書館が閉まる前に、最近見た展覧会...

『太陽の肖像』 奈良原一高

果たして死者は単に過ぎ去った者でしかないのだろうか。 果たして写真は単に過ぎ去った時間の記録でしかないのだろうか。

写真家の奈良原一高の展覧会に行ったところ、展示に添えられていた奈良原の文章にとても惹かれて、写真集に載った文章を集めた本があったので読んでみました。
作品の意図がすっきり整理されて言語化されていて、見てきた写真にそういう狙いがあったのかというのがとてもわかりやすかったです。
文章そのものがとにかくよくて、旅のエッセイとしても最高でした。

好きな文章を引用させてもらうと

犬もレンガもモミもキビも人も、あらゆるものがロバの背の上で平等に運ばれてゆく姿がアンダルシアの光景でもあった。

とか。
あと好きなエピソードは、金森馨の部屋に通っていた頃に土方巽と出会った話と、アメリカに移住して参加したワークショップでしたというコウノトリの話。

『たのしい写真3 ワークショップ篇』 ホンマタカシ

数年前から続いている写真への興味は写真の「見方」と「撮り方」の2つがあって、本当は昨年中に写真教室に行ってみようと思っていました。けれど、時節柄うやむやになってしまいできなかった。
それで、実際に写真教室に行ったらどんなことをするんだろうなーと思っていたというのがあり、読んでみた本です。
この本の中では、主に写真のモダニズムとして「決定的瞬間」と「ニューカラー」の理論が取り上げられていて、ワークショップだからその理論を学んだ参加者それぞれが実践してきて、その作品を批評するところまであり。実践してまた自分がどういう意図で写真を撮ったのかと言語化すると、生徒さんそれぞれの個性が出てきてその発想がとても面白いです。

理論を学んでそれを自分の中で噛み砕き、理論に沿った写真を自分自身が実際に撮るにはどういう場所・場面を選ぶのか、写真を撮る前に自分が撮りたい画をまず考えてみるということ。
他に紹介されていた写真家による写真教室も興味深いものがいろいろあって、素人なりにわくわくしてくるような本でした。
こっちを先に読んでから1を読んだんですが、内容としてはわりとかぶっているかも。
建築写真家のジュリアス・シュルマンを知ったので、また探してみようと思います。

以下は2020年に読んだ本一覧です。

『medium』 相沢沙呼
『本と鍵の季節』 米澤穂信
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』 花田菜々子
『誰も死なないミステリーを君に』 井上悠宇
『誰も死なないミステリーを君に2』 井上悠宇
『日本建築集中講義』 藤森照信、山口晃 (再読)
『アルバム ジャコメッティ』 矢内原伊作
『漂流郵便局』 久保田沙耶
『読者はどこにいるのか』 石原千秋
『北村薫のうた合わせ百人一首』 北村薫
『どこに転がっていくの、林檎ちゃん』 レオ・ペルッツ
『大忙しの蜜月旅行』 D・L・セイヤーズ (再読)
『MONKEY vol.20 探偵の一ダース』
『窓と建築をめぐる50のはなし』
『世界の美しい窓』 五十嵐太郎
『西洋美術史入門』 池上英洋
『息吹』 テッド・チャン
『太陽の肖像』 奈良原一高
『彼女たちの部屋』 レティシア・コロンバニ
『暗い世界』 ウェールズ短編集
『現代アートをたのしむ』 原田マハ、高橋瑞木
『たのしい写真3』 ホンマタカシ
『岐阜県警レスキュー最前線』 岐阜県警察山岳警備隊
『国語のおさらい』 越智奈津
『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』 羽根田治他
『たのしい写真』 ホンマタカシ