関西文化の日は神戸で

神戸ファッション美術館「美しいアプリケ」展看板 美術館・博物館

毎年11月にある関西文化の日は、関西の多くの美術館、博物館、資料館などが無料で見られる嬉しいイベント(ただし全てが無料になるわけじゃない)
これまで万博公園に行ってみんぱくに入るのが定番だったけれど、今年は今まで足を運ぶ機会がなかったところに行ってみることにした。

まず向かったのは神戸ファッション美術館。
阪急民なので梅田で阪神に乗り換えて、魚崎で初めての六甲ライナー。「宮脇綾子 美しいアプリケ」展。

シャケとか野菜とか、日常の、主に台所で見られるものが題材になっている。
元々の布の素材感や柄を残したまま新しい形になっているのが面白い。
いかにもハレの日っぽい派手な柄の伊勢海老とか。あとコーヒーを濾した布を使ったスルメのいい色とか。
それから題材の面白さ。串にさした魚とか、刺身を取った後の骨が見えてるカレイとか。
で、アプリケだし平面だし布の色柄が残っているので、デフォルメではあるんだけど、フォルムとか質感が妙にリアルに感じる。
玉ねぎから芽が伸びた感じ、冬瓜のわたの感じ。もう何年も家で料理してきた経験が、これはリアルだと言っている。
対象物をまずよく観察すること、それを布のどの部分をどう使ったら再現できるというイメージが優れてるんだろうなあ。

常設は「ファウンデーション ドレスの内側」特集。ドレスのあのフォルムを作るために、内側に着るものの歴史。これも見ていて楽しかった。

昼食をとって、六甲ライナー住吉駅まで行ってJR乗り換え。
次は横尾忠則現代美術館へ。灘駅から美術館への上り坂に、久しぶりに神戸を実感した。
今年の台風被害で改修工事が入り、休館していたのが再開したばかりの「横尾忠則 HANGA JUNGLE」展。

横尾忠則現代美術館

瀬戸内国際芸術祭で豊島横尾館に行ったのでまとまった作品を見るのは一応2回目ではあるけど、好きな方には失礼だがどういう感想を抱いたらいいのかよくわからないまま見た。
同じ文脈での色の組み合わせとか違いによる印象の違いを見たらいいのか?
カラフルでなんとなくオシャレって思ったらいいのか?

結局私は平凡な感性なのだよ…と思いつつ、次はバスで新神戸駅方面に移動して、竹中大工道具館へ。

竹中大工道具館の門

「千年の甍」展。
藁葺、茅葺、檜皮葺、杮葺、屋根には修繕が要ることはなんとなく認識してたけど、瓦ってなんとなく不変に思ってた。
そっか古建築の修復には瓦職人さんも必須だよな。
現代において「実際に葺くことができる古代瓦」を復元する方法や、古代と現代の葺き方の具体的な違いなど、ここならではの展示だった。

関西文化の日を堪能した後は、せっかく神戸に来たので、元町方面に移動する。
地下鉄の駅から歩いて行く途中、兵庫県公館の門が開いてたので中に入ってみることにした。

兵庫県公館

毎週土曜日に一般開放されているらしい。
明治35年竣工の兵庫県本庁舎で空襲で焼けて復旧されて、今は迎賓館と県政資料館として使われているそう。
最初の建物の設計は山口半六。といえば、金沢の四高記念館に、近代文学館が入ってることもあって行ったなー美しい廊下が印象的だった、と模型を見ながら思い出した。
当初あった中庭は、3階に復元されて屋上庭園のようになっていた。

兵庫県公館復元中庭

屋根の形が、当初の形を復元した部分と復旧時の部分で違うこととかガイドの方に教えていただいた。

せっかく神戸に来たので、おやつは少し並んでモンプリュでオプティミスト。
お酒つよめのラムレーズン。

パティスリーモンプリュのケーキ

ここのケーキは大人味で、苦いが美味しいと初めて知ったのもここだったと思う。神戸は色々ケーキが美味しいお店があると思うんだけど、最初に入ったここで十分満足してしまってなかなか他に行かない。
おみやげも買ってセンタープラザをうろうろして帰宅。